女性が食事やデートに付き合う対価として、男性から金銭を受け取る「パパ活」。対面でないと成立しづらく、景気に左右されるこの活動に、新型コロナウイルスの影響が直撃している様子を今年5月、「アフターコロナのパパ活 #1」としてレポートした。

 コロナ禍が長期化する中、継続して取材してきたパパ活当事者の男女それぞれに話を聞くと、この半年間でパパ活だけでなく、生き方そのものが変容しつつあった。(全2回の2回目/#1から続く)

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新宿伊勢丹で「リアルパパ活」

「最近よく行くのは新宿伊勢丹の6階です。赤ちゃん用品売場があるんです。周りから見たら本当のパパに見えるでしょうし、僕は『リアルパパ活』と呼んでいます」

 経営コンサルティング会社を経営する雅之さん(44)の声は明るく弾んでいた。6人の女性に月にして計150万円ほどのお手当を渡す「パパ」として、「文藝春秋」2020年1月号および「文藝春秋 電子版」記事(「2020年の『パパ活女子』 援助交際と何が違う?」)に登場した独身男性だ。半年前にはソーシャルゲームにハマる一方で「パパ活は面倒くさい。もう手を広げるのはやめたい」と語っていたが、その思いは激変していた。

 一度は関係の切れたパパ活相手、真奈さん(30)がコロナ禍で出産。未婚の母になり、再び雅之さんを頼ってきたのだ。以前は多い時で月100万円、総額1500万円のお手当を渡していたが、現在は月20~40万円。体の関係はないが、「だいぶ安くなりましたね」と雅之さんは意に介さない。

「子どもはマジでかわいいと思います。生物学上の父親ではないけど、僕のお金で生活しているという意味では、僕も一緒に育てています。子どもが生まれていなかったら真奈ちゃんとの関係は戻っていなかったでしょうね」

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 取材中にも、真奈さんから「布団乾燥機がほしい」とLINEが入った。「買おうか」と返信した雅之さんは「大盤振る舞いです」と笑う。雅之さんの会社はコロナ禍で一時的に業績が下がったものの、今ではすっかり持ち直して心身の余裕が出たようだ。