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「玲緒ちゃんや彼女のお母さんに家を買ってあげたい」

 玲緒さんは新顔ではない。1年前に雅之さんを取材した際には、交際クラブを介して知り合ったうちの一人という程度の位置づけだった。その後一度は距離が空いたが、近所に引っ越してきたことを機に秋頃から急接近。毎週会うようになって彼女の良さを実感したらしい。玲緒さんは会社社長の愛人をしたりクラブで働いたりしてきたが、コロナ禍で仕事がなくなり、再会当時は、酒席に参加して金銭をもらう「ギャラ飲み」で稼いでいた。

「玲緒ちゃんは人が良すぎて騙されやすい」と心配する雅之さんは、現在月50万円超のお手当を渡しているが、さらに先まで見据えている。

「僕の今の目標は、5年以内に10億円稼いで、玲緒ちゃんや彼女のお母さんが健康で幸せに暮らせる家を買ってあげることなんです」

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それでもお相手を玲緒さん一人に絞らない理由

 それほど惚れ込んでいるなら、お相手を玲緒さん一人に絞らないのだろうか。そう尋ねると、雅之さんは「うーん」と唸った。

「玲緒ちゃんのことは好きですし、正式に付き合いたいですけど、僕は真奈ちゃんと由紀ちゃんを自立させきれていないし、このままでは彼女たちが路頭に迷う。今後どうなるかはわからないですね。玲緒ちゃん一人で僕を支えるのは大変でしょうし……」

 以前から雅之さんは、自身のパパ活の背後に、不安や自信のなさがあると語っていた。30代半ばで婚約破棄したトラウマから結婚や同世代に近い女性が怖くなり、こんな自分を一人で支えてもらうのは忍びないので、複数の女性で分業制のようにしているのだ、と。

「仮に結婚しても、他の人と恋愛することも許します」

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 ただ、こうした点にも心境の変化が生じていた。

「もう相手の年齢にはこだわりません。それに玲緒ちゃんとなら結婚するかもしれない。ただ、仮に結婚しても、他の人と恋愛することも許します。幸せのためには自由が大切だと思っているので」

 雅之さんはそう言った後、最近クッキーを焼いた話をしながら「ヴィーガンになって性格が穏やかになっちゃったと思います。つまらなくなっていたらすみません」と笑った。

文藝春秋

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