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 平将門は平安京の七条河原でさらし首の刑に処されますが、何カ月経っても目を見開いたり喋ったりして生きているようだったそうです。「首をつないでもう一戦しよう!」と叫んだりして、人々を怖がらせていました。その後、将門の首は笑いながら関東目指して飛んで行き、途中力尽きて落ちた場所が、現在の大手町の首塚だと言われています(今は都会の中心でも当時は武蔵国豊島郡芝崎村)。

 首になってもバイタリティーみなぎる将門公なら1000年以上祟ってもおかしくないと思えてきます。

大手町ワンの一階には三井物産から「史蹟 将門塚保存会」に寄贈されたゴージャスな大神輿が展示。きっと将門公もお喜びのことと思います 筆者撮影

 将門公関連のエピソードでいうと、平将門を鎮圧するための護摩祈祷をした成田山新勝寺には、平将門公を祀る神田神社や築土神社の氏子は参詣しない方が良いと伝えられています。私も神田神社が産土神社(生まれた場所の神様がいる神社)なので成田山には近付いたことがありません。

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 平将門公は、今は神様として各地の神社に懇ろに祀られ、東京の守り神のような存在になっています。首塚も、勝負運にご利益があるパワースポットとして密かな人気です。祟りから崇められる存在へ……。それでもまだ、晴らせない積年の思いがあるのでしょうか。大手町の首塚周辺のオフィスは、首塚にお尻を向けないように椅子が配置されているとも囁かれています。

 ちなみに、3、4年前にはポケモンGOのスポットになっていたようで、ランチタイムにはポケモントレーナーのビジネスマンが多数集まっているのを目撃しました。 ゲームに明け暮れる現代の日本男児を見て将門公は何を思われたのでしょうか。隣接する大手町ワンの開発の工事もかなり騒々しかったと拝察します。

 神田神社を崇敬する者の1人としても、工事中の首塚にお参りしなければと思い、休日に大手町に向かいました。首塚のある場所は白い壁で囲われていて「関係者以外立入禁止」「暴力団関係者立入りお断り 防犯カメラ作動中」の看板が立てられています。