韓国の文在寅大統領が苦悶している。直近の世論調査(12月10日発表)によると、文大統領の支持率は、前週より0.3ポイント下落し、37.1%と就任後最低を更新した。不支持率も0.8ポイント上昇し、過去最悪の58.2%だった。
そんな苦境の文大統領が、日韓関係改善に向けて“白羽の矢”を立てた次期駐日大使が、姜昌一(カン・チャンイル)氏だ。韓日議員連盟会長も務めた“知日派大使”と報じられているが、日韓双方の関係者からその言動を不安視する声が聞こえてくる。姜氏と面識のある韓国の対日関係専門家は、次のように指摘する。
「内定発表当初から“知日派”“日本の政界に通じている”と日韓のメディアで持ち上げられ、姜氏本人はやる気満々。栄転だと喜んでいますが、これまで彼の言動は、対日問題でも“二枚舌”などと批判されてきました」
彼の経歴と、問題になった言動とはどんなものだったのだろうか。
「北方領土はロシア領土」と発言?
姜氏は1952年、韓国南西部の済州島で生まれた。ソウル大学を卒業後、東京大学大学院に留学し、修士と博士の学位をとった。本来は歴史学者で、2001年にソウルで行われた日韓首脳会談での合意に基づき開始された「日韓歴史共同研究」の第一期研究(2002年~2005年)にも研究員に選ばれ、参加している。
彼が政界に足を踏み入れるのは、その研究期間中だった2004年のこと。共同研究から離脱する形で国会議員選挙に出馬し、初当選した。以来、今年5月まで国会議員を4期務めた。韓日議員連盟の会長も歴任し、現在は名誉会長の立場だ。
議員当時の姜氏の行動が、日本で最初に取り沙汰されたのは、2011年5月のことだった。