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「彼女に何者でもない人になってほしくなかった」中野信子&中野圭夫婦“別居婚”の理由

2020/12/23

 結婚10年目の夫婦は別々にやって来た。先に到着した妻はテレビで見る「中野信子」の顔ではなく、すっぴんでガーリーな雰囲気。対談を前に、鏡を見ることもなくササッとセミロングの髪をアップにまとめ、化粧もササッと済ませ、仕事モードに入った。

 

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「夫婦の暮らし方のニューノーマルを探っている」

 お待たせしました。

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信子 あ、髪に寝癖が(ササッと直してあげる)。

――はい、早速、仲睦まじいところをありがとうございます。人気脳科学者初の自伝として話題の『ペルソナ』(信子著、講談社現代新書)には、夫が「寄り添う人」として登場します。週刊文春WOMANの内田也哉子さんとの対談でも毎回、圭さんが話題になっていました。

全文は発売中の「週刊文春WOMAN」2021 創刊2周年記念号に掲載

 そうですか。妻の記事や著書をあまり読まないものですから。

信子 圭さんは大阪芸術大学の准教授をしているので、コロナでリモートの講義がほとんどとはいえ、週の半分は大阪にいます。横浜にも愛着があって部屋を持っているので、そちらにいることも。

 ですから二人のときは、どちらかが仕事モードに入ってしまうと相手がリラックスできないのではないかと思い、お互いに仕事関係のものはプライベートな場には持ち込まないんです。ちなみに、圭さんは昨日まで大阪で仕事、今日は横浜から来たんですよね。

 ただ、別居しているわけではありませんので、一緒に住んでいるように書いてほしい。

信子 WOMANの読者のみなさんには事実上の週末婚だとバレていますよ。

 

 では「夫婦の暮らし方のニューノーマルを探っている」ということで。

夫婦共通の趣味はへヴィメタ

――今回、ご夫婦としてはメディア初登場かと思いきや、調べてみると2018年、別冊カドカワDirecTでヘヴィメタ対談をやっていました。

信子 ああ、そうでした。お互いの好きなメタルソングベスト10を選びましたね。へヴィメタは共通の趣味なんです。

 私は小学生の頃、父の仕事の関係でニューヨークに暮らしていたのですが、当時、ヴァン・ヘイレンの「1984」と「ジャンプ」が街じゅうで聞こえていました。それ以来、ハードロックが好きになり、妻も出会った頃に案外それが好きだと知ったので、だったら一緒に聴こうと、METALLICAのニューアルバムを買いに行ったり。

 

信子 そうそう、ヴァン・ヘイレンのTシャツを買ってハードロックカフェに行ってみたり。