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「私たちの卵巣、もうホルモンをつくる気がない!」野宮真貴60歳・松本孝美55歳・渡辺満里奈50歳と学ぶ“女性ホルモン砂漠”サバイブ術

『大人の女史会』にようこそ #1

note

50を過ぎて月経がある人は子宮筋腫や子宮内膜症の可能性

野宮 多いほうがいいのかと思っちゃった(笑)。

渡辺 私も。自信満々で、多いです! って(笑)。

松峯 みんなより多いです、はダメなのね。

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一同 えーっ!!

松峯 LHは黄体化ホルモンといって、排卵させるホルモン。FSHは卵胞刺激ホルモンといって、エストロゲンをつくるホルモン。だから、エストロゲンが多ければ、FSHは要らないから一桁で済む。けれども、エストロゲンが低下してくると、もっと出せとFSHが出てくるし、エストロゲンが出れば、LHも放出される。

 LHとFSHは脳下垂体から出てくるホルモンなんだけど、脳から、こぉ~んなに遠くの卵巣を刺激するのよ。みんな、月経はもうないでしょ。

野宮・松本 ないです。

渡辺 まだあります。

 

松峯 でも、その数値だと、もうそろそろ上がるわね。

渡辺 じゃあ、排卵はもうしてないってことですか?

松峯 してないです。逆に50を過ぎても月経があるという人は、子宮筋腫や子宮内膜症の可能性があるから、一回きちんと診てもらったほうがいい。「みんな閉経だと言っているのに、私はまだある」って威張ってる人がいるんだけど、安心できない。子宮の病気を抱えてる場合がありますから。

渡辺 更年期を感じたことがなかったのになあ……。

症状に耐えられなくなって初めて病名がつく。それが「更年期障害」

松峯 わからないって人もたくさんいるの。脳下垂体からFSHを出すために、LHリリーシングホルモンというのが出るんですけど、そのホルモンを出すその横に、自律神経を調整する脳細胞の組織があるんです。その組織が、LHリリーシングホルモンと一緒になってコンディションが狂ってしまう。すると自律神経がおかしくなる。交感神経と副交感神経のバランスが崩れるわけ。

 イライラしたり涙もろくなったりボーッとしたり。ホットフラッシュ、冷え、五十肩、筋肉痛、膝痛、ドライマウス、ドライアイ、じんましん、あらゆる不調が出てくる。それが「更年期症状」と呼ばれるものなの。

松本 先生、私、たまにすっごく動悸がするんです。

 

松峯 動悸もあります。なんでもないときにドキドキしたり、好きでもない人の前で赤くなったり。今までウルウル出ていた女性ホルモンが砂漠化するんだから、多かれ少なかれ、誰にでもそういった症状は出るの。だけど、症状がつらすぎて生活するのに耐えられなくなったときに初めて病名がつく。それが「更年期障害」です。