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官房長官時代と比べ「情報が入ってこない」

 読売もこの3ヵ月を振り返り『「首相主導」に死角』(12月16日)と官邸内に調整役不在であることを指摘。

「首相に直言できる人が周りにいないのが問題だ」(自民党の閣僚関係者)

「首相が全て自分で差配しようとする」(首相周辺)

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 その一方こんな記述も。官房長官時代と違って「圧倒的に情報が入らなくなった」と菅首相が閣僚の一人にこぼしたという。この読売を頭に入れて翌日の朝日を読んで欲しい。

《政権幹部は「首相に情報が入っていないことに注目している人は多い」と、首相の「孤立ぶり」を危ぶむ。》

 官房長官時代と比べると首相には情報が入ってこない。そんななか一人で決めちゃう首相。なんかヤバい空気が漂ってきた。周囲は何か進言したほうが良いのでは?

度が過ぎたトップダウンは孤立を生む…? ©文藝春秋

 すると、

《人事による霞が関の統制を主導してきた菅氏には、官僚からも「不興を買えば飛ばされる」と萎縮する声が上がる。》(朝日・同)

 ああああ。今までのおこないがすべて…。

「自助」だけではキツいことが証明

 思い出そう。菅首相が誕生した際に「実務型首相」と書くメディアがあった。大きいことを言わないで仕事をするというニュアンス。しかしその「実務型」が裏目に出てないだろうか。表で説明しなくても今まで通り「裏回し」で仕事をすればいいんだという割り切りのようなものが失敗しつつある。参謀役がいないのではなく必要とされない。

 結果として説明しないでものごとが決まるが、決める本人には情報がなかなか入らずに「孤立ぶり」を注目される状況。

 そういえばニコ生で「こんにちはガースーです」と言ってスベッたことを思い出した。実は首相のアドリブで同行の首相秘書官たちも驚いた表情だったという(東京新聞12月15日)。

12月11日の「ニコニコ生放送」で“スベった”菅首相

 そう、あれは菅首相が一人で決めちゃって実行した「例」なのである。そしてスベッたことが可視化された「例」なのである。「自助」だけではキツいことが証明されたのだ。

 いま、官邸はこんな状況になっている。首相はともかく“国益”は大丈夫か。