初詣は「徹夜で連日、商売を続けられる」
新型コロナウイルスの第3波が到来し、飲食業や観光業にダメージをもたらしている。この傾向は神社仏閣の参道などの露店で商売する「テキヤ」でも同様だ。
テキヤを生業としている暴力団幹部が、例年の初詣の様子について語る。
「明治神宮などの大きな神社だったら、大晦日の夕方過ぎから人の往来があり、一晩中、参拝客がおカネを落としてくれる。こちらも徹夜で商売を続け、元日は夜9時ごろまで一日中商売ができる。稼ぎ時なのは間違いない。さらに、神社やお寺によっては、1月7日の七草のころまで可能というところもあり、よい商売ができる」
今回も定番のたこ焼き、綿菓子などの露店で神社仏閣の参道が賑わうはずだった。
「しかし、今年は店を出してもダメだろう。密を避ける意味でも店舗の数は制限されるし、何より参拝に押しかけると初詣客の間が密になるから、期待できないのではないか」(同前)
忙しい時期のはずが……
多くの参拝客が詰めかける神社仏閣では、初詣を分散して行うことを要請しているところもある。例年とは違い、初詣の期間を12月中旬から1月中としたり、12月に入った段階で破魔矢などの縁起物の販売を始めたりしているのだ。
テキヤ稼業とは別の博徒系を名乗る暴力団幹部は、「身内にテキヤがいるが、今頃は初詣の商売の仕込みや場所取りの会合などで忙しい時期のはず。しかし、今年は全く期待できないと泣いている」と打ち明ける。
テキヤ業界では1軒の露店のことを「1本」と表現するという。博徒系の幹部が続ける。
「ある人気の初詣スポットでは例年、テキヤ団体が合わせて200本ぐらい出せたが、今年は密になってしまうということで、許可が出たのは半分の約100本だったらしい」