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「ゴールド社員」という称号

《報酬を辞退したいと申し出てくれた奇特な人達には、家で仕事をしてもらうわけにはいかないので、当然就業中の手がすいたときにやってもらうことになる。この人たちには「ゴールド社員」という称号を与え、その愛社精神を将来にわたって尊崇の対象としたい》(2020年8月25日「通達」より)

”サクラ投稿”への応募者に対し「その愛社精神を将来にわたって尊崇の対象としたい」という通達(2020年8月25日)

《無償ゴールド会員はいま専用のゴールドバッヂを作っているので、これも今しばらく待っていただきたい。無償ゴールド会員は賞与支給の際にその貢献度に応じて熱く報いるつもりである(原文ママ)》(メール2020年10月12日)

「無償ゴールド社員はいま専用のゴールドバッヂを作っている」

 こうした“サクラ投稿”は法的には問題ないのだろうか。消費者庁に取材したところ、「非常にグレーではある」という。

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「口コミを事業主側が捏造した場合は景品表示法で取り締まりの対象となります。内容を捏造せず、あくまで消費者の感想を転載する場合に取り締まり対象になるかどうかは、個別のケース次第です。それでも事業者側が消費者の良い感想のみを意図的に選んで転用するという行為は、消費者の商品選択のために好ましい行為とはいえません」(同前)

らくがき板協力者専用サイトスクショ

うまく法を潜り抜けようと

 また文化庁の担当者に取材したところ、こういった見解を示した。

「口コミも、内容に創作性があり、ある程度の長さがあるものは著作物にあたります。そのため、事前に著作者に告知せずにほかの媒体等に転載・転用する場合は著作権法違反にあたります」

 Bさんは、「会長は著作権法違反の恐れがあると途中で気が付いた」と明かす。

「10月から、お客様に送付されるらくがき板の葉書の仕様が変わったのです。『あなたに代わって活字に清書し、いろいろな活字媒体に掲載されるように取り計らいます』との但し書きが追加されました。著作権法を気にしてのことでしょう。しかし結局いま現在社員が“サクラ”をしているもののほとんどは、但し書きが付け加えられる数年前の感想です。いまになって但し書きを加えれば、許されるものなのでしょうか……」

「月刊リベラルタイム」(リベラルタイム出版社)2014年7月号

 Bさんが続ける。

「ゴールド社員の待遇からもわかるように、会長は、たとえ違反行為であっても、見返りを求めず、とにかく会社のために身を粉にして働く人が大好きなんです。社員のなかには生活のためや他の趣味のために働いて結果を出している人もいるのに、そういった人は『不要な社員』として見なされてしまう。 “愛社精神”が人事評価にも直結するんです」

「文春オンライン」はDHCの人事評価項目が記された文書を入手した。するとそこには目を疑う評価基準が記されていたのだ——。(#3につづく)

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