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人生を共に歩いていく同志

──映画もコロナの影響で9月の公開予定が延期となりました。アフレコはどのように行ったのですか。

三石 前編は昨年10月くらいに収録を行ったので、ほかの4人の戦士たちと一緒の収録ができました。ただ、後編の収録のときには、感染拡大がかなり深刻化していたので、みんなとは別々に収録して、自分のシーンを合わせていくという、パズルをはめていくような感覚でした。

 それでも、ちびうさ(スーパーセーラーちびムーン)役の福圓美里ちゃんと、まもちゃん(タキシード仮面/地場衛)役の野島健児さんとは一緒にアフレコできましたし、その場には一緒にいられなくても(別々に収録した)お互いの声を頼りに会話をしたり、声を合わせたりできたのは、それまでによい関係性が構築できていたからだと思います。

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──キャスト同士が会えないなか、リーダーでもあり「遺伝子」でもある三石さんには、かなりのプレッシャーがあったのでは。

三石 大変だったのは私ではなく、スタッフの皆さんです。本来だったら一度で収録できる場面も、今回はチーム分けして順番にスケジュールを組んだり、収録のたびに毎回マイクにかけているフィルターを消毒したり、空気を入れ換えしたりと、本当に気遣っていただきました。スタッフの方は今回本当に大変だったと思います。

 私自身のプレッシャーというものはなかったですね。それより、みんなが集まってくれるという喜びや、「また月野うさぎちゃんを演じることができる」という醍醐味や嬉しさのほうが大きかったです。

 

──三石さんにとって「月野うさぎ」はどんな存在なんですか。

三石 同志……でしょうか。

 月野うさぎちゃんは私が初めて主役を務めたキャラクターです。「美少女戦士セーラームーン」という作品、そして月野うさぎちゃんとの出会いがなければ、私はいまここにはいませんし、声優というお仕事を続けていられたかもわかりません。

 自分の役を演じることに精一杯だった時期や、「美少女戦士セーラームーン」の大ヒットによって「うさぎちゃんと同じようにやって!」と言われるのがつらかった時期もありましたが、いまはそういうものをすべて超越して、一緒に人生を歩く同志のような存在になっています。