元レスラーの文教族ベテラン・馳浩に、プロレスを愛する時事芸人・プチ鹿島が「解散の大義」「加計問題」「前川の乱」について切り込んだ! 古典教師を経て長州力に入門、森喜朗のスカウトによって政界にリングを移し、第3次安倍内閣の文部科学大臣も経験した男は、政治を騒がせ続ける「文教族案件」をどう語るのか? 試合開始!

プチ鹿島さん(左)、馳浩さん(右) 議員会館にて

展開を作り、展開を読む。プロレスと政治は共通している

鹿島 このあいだの「プロレスリング・マスターズ」(7月26日・東京・後楽園ホール)、リングサイドで観戦しました。あの試合がいかに素晴らしかったか、そして武藤(敬司)さんが、どうやって馳さんを11年ぶりのプロレスラー復帰戦に引っ張り出したかという内幕を、ちょうど今発売中の『KAMINOGE』という雑誌に書いてまして。

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 来てくれてたの。嬉しいね、ありがとうございます。

鹿島 ほんとびっくりしました。ファイトスタイルも肉体も、90年代当時とまったく変わらない美しさで。ブログなどを見て、改めて体を鍛えてらっしゃることを知ったファンのあいだでは、やはり7月の興行に出るんじゃないかとささやかれてはいたんですが。

 プロレスラーとしてのプライドがあるから「元プロレスラー」とは言われたくない。リングに上がる以上は「現役」と思ってもらえるような体をと、3、4、5、6、7、ほぼ5カ月、睡眠時間を削って、56歳なりに頑張りました。寄る年波は隠せませんが。

7月、11年ぶりにリング復帰した馳浩 ©朝日新聞社/時事通信フォト

鹿島 プロレスラーから議員になった方はたくさんいますが、馳さんは別格だという確信があるんです。というのも、政治家・馳浩のスタイルと、プロレスラー・馳浩のスタイルが同じ地平にあるからです。普通は別人格になるはずが、馳さんは一貫して「人のために汗をかくという役割」を演じ続けている。自分が作った主導権をタッグパートナーに渡すスタイルや、試合で言えばメインイベントも頑張る、中堅どころでも試合を締める、どの立ち位置でもきっちり働く姿勢が、政治家としても効力を発揮しているんじゃないかと。

 プロレスならキャラクターを演じ切る、政治なら専門分野を自覚しながら活動する。レスラーなら常にパフォーマンスの創造性が必要で、国会議員には政策の幅を広げる能力が必要。勉強、陳情対応、党内議論とトレーニングを重ね、与野党の了解を求めて目指すべき議員立法に持ち込むまでの「試合運び」。そういう展開を作り、また展開を読むという意味では、プロレスと政治は共通しているし、私のスタイルが一貫しているところがあるのかもしれないですね。