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ポスト・コロナの家選び 茅ケ崎ではなく、江の島・鵠沼エリアがおすすめのワケ

2021/01/12
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海水浴も楽しめる海に、地場の店の魅力「片瀬江ノ島駅」

 江の島とは橋でつながるために、島は格好の散歩コースになる。橋のたもとにあるのが小田急線の片瀬江ノ島駅である。竜宮城を象ったとされる駅舎は観光客に人気だ。このエリアの中では片瀬江ノ島駅周辺だけが、容積率が高いためマンション群が形成されている。中古マンションを選ぶなら駅周辺がよい。高層階になれば江の島、相模湾の眺望は抜群だ。価格も築年の浅い物件ならば坪当たり250万円程度。20坪程度であれば5000万円が相場だ。築年の古いもの(20年程度)でよければ坪当たり170万円程度。つまり3000万円から5000万円程度で毎日海が目の前の生活が手に入る。7000万円から1億円もの、東京の湾岸タワマンを、返済に一生かかるローンで買っても、部屋から見える海はどんより薄汚れて、海と戯れることさえできない。片瀬西浜は昔と異なり水質も改善され、サーフィンには最適。夏の海水浴も目の前で楽しめる。浜で揚がるシラスはゴールデンウィークから11月くらいまで街の定食屋で生のものを食べることができるし、街中のお店で買うこともできる。もともと観光地なのでレストランや居酒屋には事欠かない。また大手チェーン店は少なく、地場のお店が多いのも魅力的だ。

片瀬江ノ島(著者提供)

戸建て住宅がおすすめの「鵠沼」「鵠沼海岸駅」

 戸建て住宅を求めるのならば鵠沼だ。ひとくちに鵠沼といってもエリアは広い。鵠沼海岸駅から東側に広がるのが、地元では「松・藤・桜」と呼ばれるブランド住宅街だ。地名は松が岡、藤が谷、桜が岡を指すがいずれもかつての別荘地であるために、現代では相続による分割が広がっているとはいえ、区画の広い住宅が多く、また街のシンボルである松がいたるところに残され、街に落ち着きを与えている。このエリアは富裕層が多く、ここで育った子供たちが、東京には定住せずに街に戻り、親とは別の鵠沼海岸エリアに住むのが定番である。若い人ほど活動的なので海岸近辺に住む。海に近いのでサーフィンやヨット、釣りを楽しむことができるからだ。

©️iStock.com

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 さてこのエリアで中古戸建て住宅を選ぶならば、相続等が発生して敷地が分割された住宅が価格的には狙い目となる。敷地40坪程度、建物30坪程度の3LDKであれば築10年未満程度の比較的新しい物件でも4000万円台前半が相場だ。子供が一人ないし二人程度ならば、この広さで十分だろう。夫婦の仕事スペースも確保できるし、独自にWiFiを敷いて仕事にも専念できる。なんといっても気晴らしをするところには事欠かない。海辺にパソコンを持って出て、海を見ながらリモートワークするなどという夢のような生活が可能となるのだ。