昨年は、いつまでたっても収束を見せないコロナ禍で「おうち時間」が増えた方が多かっただろう。今年になってもいまだに鳴りをひそめないコロナといったいいつまでつきあっていくのだろうと思う反面、会社に通勤する必要が必ずしもなくなったサラリーマンにとって、STAY HOMEを実践する中で自分たちが住んでいる家の住み心地にあらためて関心が向かったのではなかろうか。

WiFiの容量不足、ランチ難民……自宅で働く困難

 これまではとにかく平日の朝は「通勤」という行為が必要だった。現代では夫婦共働きが当たり前だ。夫婦ともに通勤しやすい家に住むというのが、第一条件であったといってよい。ところが夫婦ともに家で仕事をすることが増えると、厄介な問題が起こった。都心部の狭苦しいマンションだと互いが働くスペースがとれない。夫婦でオンラインの会議が重なったりすると、どっちがどこの場所でやるかで喧嘩になる。これに遊んでくれとせがむ子供でも加わろうものなら収拾がつかない。マンションが契約しているWiFiでは容量が小さすぎて、住民の多くが利用すると全く使い物にならないこともある。

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 自分たちが住むマンションがある街で昼間すごしたことがないため、ランチをしようにもお店をよく知らない。ちょっと骨休みに一杯、と思っても居酒屋もない。

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 たしかに通勤には便利だけれど、実は家で働きながら毎日を過ごすにはあまり快適ではない街であると思い知った人も多かったに違いない。

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「生活ファースト」の家選びをしたいポスト・コロナ時代

 通勤に重きを置かなくてもよい、たとえば週1、2回、あるいは月2、3回程度通勤すればよくなった会社も多くなっている。そしてこうした勤務体系を、コロナ禍の今後の動向とは関係なく継続させる会社も増えてきた。さて、ポスト・コロナ時代、必ずしも通勤を前提とした「会社ファースト」の家選びをせずとも、環境の良いエリアで「生活ファースト」の家選びをしたいと、多くの人が家選びの基準を変えつつある。それは東京都において昨年7月以来5カ月連続で人口が「転出超」になっていることにも表れている。