総理の夢 私も麻生先生のように
鹿島 ところで「夢は60歳で総理になること」とおっしゃっていますが、60歳まであと4年、その時は2021年、東京五輪後の日本ですね。
馳 そうですね。
鹿島 どんな総理大臣を目指しますか。
馳 たとえば麻生太郎先生は「俯瞰の目」を持っておられるといいます。財務大臣という役割を果たしながら、地球規模ではいま日本は何をしなければいけないかを考え、過去の歴史を振り返りながら、点ではなく多国間との連携の中で、現在の日本のあり方を俯瞰的に見つめる。私も麻生先生のように、日本の実状を踏まえ、歴史と地球儀を俯瞰できる政治家にならなければと思っています。
鹿島 馳さんの政治の師匠といえば森喜朗さんを忘れてはいけませんよね。どんな教えを受けていますか。森さんにとって馳さんは秘蔵っ子どころか、後継者という思いもあるんじゃないですか。
馳 ハハハ、私はそんな大物ではない。後継者というより森チルドレンのひとりに過ぎません。ずいぶん反発もして、「悪いのは馳だ」って怒られることもしょっちゅうですが、同時に「まぁまぁよくやってるな」とも言われますけどね。そういう意味では森先生は非常に公平な目をもって、私を厳しく育ててくださっている。そこは間違いないです。
トイレ掃除のおばちゃんに「ありがとう」と言うのが森スタイル
鹿島 森さんは、世間と内側での評価に、だいぶ温度差がある方なんだろうなと感じます。いいところってあるんですか?
馳 わかりやすく言えば、トイレに掃除のおばちゃんがいたら、自然に「ありがとう」と声をかけるのが森先生の政治スタイルです。
鹿島 ははあ……。そういう人のよさが、なぜ世の中に伝わらないのでしょうかね。
馳 記者会見のときの態度がよくないからです(笑)。
鹿島 そう言ってしまえる大物ぶりは、すでに師匠を超えているような気がします(笑)。総理大臣になってもジャイアントスイングは必ずしてください。
馳 ハハハハ。一緒に写真撮ろう。嬉しいなぁ。
鹿島 僕、公式プロフィール写真で黄色いシャツ着てるんですけど、馳さんが黄色いパンツに変更してブレイクしたのを参考にしました。
馳 嬉しいなぁ。
構成=皆川秀
写真=白澤正/文藝春秋