元レスラーの文教族ベテラン・馳浩にプロレスを愛する時事芸人・プチ鹿島が「オリンピック問題」と「森喜朗」について切り込んだ! 話はやがて「総理への夢」へと拡がっていき――。試合展開から目が離せない対談後編のゴングは鳴った!
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東京オリンピック「買収疑惑」について答える!
鹿島 馳さんは東京五輪大会実施本部長も務め、現在は自民党スポーツ立国調査会長。オリンピック事業でも熱心に活動されていますが、先日、ブラジル検察が東京オリンピック招致にはコンサルタント会社経由での「買収の意図があった」と結論を出したという報道がありました。
馳 これについては、たしかフランスの警察当局が日本の関係者に事情聴取したはずですね。当時、安倍総理も、捜査が及べばきちんと答えたほうがいいと答弁しておられたと思いますから、買収の意図があったかなかったか、私は捜査結果に従うしかないと思いますね。
鹿島 馳さんは文科相時代に「招致成功にコンサルタントが果たした役割は大きい」という発言をされていますね。
馳 コンサルタントについて言えば、その役割はきわめて大きいです。103名のIOC委員のうち、幹部と当事者を除いた97票の過半数をどうやってかためていくか。各委員がどういう理由で選ばれて、どこに住んでいて、家族構成はどうで、好きな食べ物は何で。そういったことをすべて調査したうえでの集票活動のせめぎあい、まさにバトルですよ。その戦いの中で東京に決定した理由はさまざまあると思いますが、はっきり言えることはIOCの倫理規定というルール上、裏金なんてまったく使えなかったということです。
鹿島 一方で、オリンピック後の不況を懸念する声も聞こえてきます。
馳 アテネの二の舞は避けなければなりません。2004年のアテネオリンピック後のギリシャの借金、財政赤字、国家財政の破綻は記憶に新しいところですが、ギリシャは結局EUに助けてもらうことになった。オリンピックを開催したって、その後に体育館とか、スタジアム、アリーナがまったく荒廃してしまったら意味がないわけです。