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「ファイトマネー1億円」は序の口

 相撲の稽古にボクシングを取り入れる構想も持っているという。

「相撲とボクシング、同じ対人競技でありながら、一見、共通項は少ないように思えます。ところが、私の相撲人生を振り返ってみると、サンドバッグを叩き、独特のリズムを体に覚えさせることが出来たおかげで、相撲の突き押しのリズムが自然と身についたように思います。

 たとえば、11月場所で優勝した貴景勝関の相撲にも明快なリズムがあります。ボクサー同様、リズムがいい力士は、運動神経もいい。まだアイデア段階ですが、将来的には力士の指導にサンドバッグを取り入れるのも面白いかもしれない、と思っています。私の推論では、突き押しや突っ張りの指導に効果を上げるはずと期待しているのです」

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©文藝春秋

 井上はリング上だけでなく、スポーツビジネスでも革命を起こすとみている。

「井上選手は、興行的にも日本の常識を変えるのではないでしょうか。モロニーとの試合はアメリカ・ラスベガスのMGMグランドで行われましたが、この場所でリングに立つのはボクサーにとっての勲章でしょう。すでにアメリカでの評価は定まっているようですが、今後はファイトマネーも上がっていくはずです。

 モロニーとの一戦では、ファイトマネーは1億円と報じられましたが、これもまだ序の口のはず。ひょっとしたら、日本人アスリートとして最高額の報酬を手にする可能性もありそうです。2021年は東京五輪が予定されているなど、日本ではスポーツがコロナを吹き飛ばす起爆剤となる気がします。その筆頭が井上選手の世界戦になるのは間違いない。無敗神話はまだまだ続くと確信しております」

出典:「文藝春秋」1月号

 荒磯親方が井上尚弥について語った「2021年 日本を動かす21人 無敗のまま、世界最強になる男」は「文藝春秋」1月号および「文藝春秋 電子版」に掲載されています。

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井上尚弥 無敗のまま、世界最強になる男