新聞を読み比べていると、1つの説が同時多発的にワッと出てくる瞬間がおもしろい。
昨年末から急に見かけるのが次の説なのである。
『菅政権、麻生政権と似てきた? 支持率急落、解散先送り』(時事ドットコム2020年12月21日)
『麻生政権に似ている?』(東京新聞2020年12月25日)
菅政権が、2008年9月に発足して1年で退陣した麻生政権に似ているのでは?という見立て。
さらに読売新聞は年末の12月28日の一面で『内閣支持率下落拡大 発足3か月 29ポイント 麻生内閣と並ぶ』。
《読売新聞社が毎月の全国世論調査を開始した1978年3月以降の歴代内閣で、発足直後の調査から3か月後の下落幅を比較すると、麻生内閣と並んで最も大きかった。》
なかなかの衝撃である。あの麻生氏と歩みが似ているなんてショックだろう。
社会情勢も麻生政権下に似ている…?
各紙をまとめると似ているのは支持率の下落だけではない。当時の麻生内閣の急落要因はおもに3つ。
「リーマン・ショックに伴う不況対策」
「麻生首相自身の漢字の読み間違い」
「ホテルのバー通い」
菅政権も、
「コロナ対応」
「読み間違い&棒読み」
「大人数でのステーキ会食」
なんか似ている……。
麻生政権との違いは「野党支持率の低さ」
ただ1つだけ決定的に違う点が。麻生政権のときは野党の支持率が高かったが、現在は最大野党の立憲民主党の支持率は4%と低迷(読売・同)。
ということはこのままの状況が続くと自民党内での「ポスト菅」の声が大きくなるということか?
そんななか菅首相は7日、緊急事態宣言を再発令した。今回のポイントは「飲食」。
「感染リスクが高いとされる飲食店を中心に午後8時までの営業時間を短縮するなど対象を限定した」(毎日新聞1月8日)
何のことはない。つい先日まで熱心に推進していたGo Toイートの否定である。自己批判である。