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『恋つづ』上白石に、事務所電撃移籍の森七菜 令和の“胸キュン”ヒロインの共通点

2021/01/18

第二ブレイクは『逃げ恥』ラインの恋愛ドラマ主演

 上白石萌音さんと森七菜さんが新海誠作品で演じたふたりのヒロインには、“明るい”・“純粋”・“健気”・“芯が強い”といった共通点がありました。そしてそのヒロインたちの印象は、そのまま上白石萌音さんと森七菜さんのパブリックイメージにもなっているように感じます。

 憶測ではありますが、新海誠監督は声の質や演技力だけでなく、女優本人の人間性や存在感なども選考基準としており、結果的に劇中のヒロインの性格に近いパーソナリティを持ったおふたりが選ばれたのではないでしょうか。

さて、おふたりの第一ブレイクが新海誠作品だとするならば、第二ブレイクとも言える主演ドラマにも共通点があります。それは先述した『恋はつづくよどこまでも』と『この恋あたためますか』。

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「この恋あたためますか」(番組公式サイトより)

 この両ドラマは主人公の女性がハードルの高い年上イケメンに恋をするという、恋愛ものの王道フォーマットを踏襲しているだけでなく、どちらもTBSが「火曜ドラマ」と銘打っている火曜22時枠での放送だったんです。「火曜ドラマ」は、90年代に大ヒットドラマを連発していたフジテレビ「月9」(月曜21時枠)のお株を奪って、恋愛ドラマでヒット作を量産しています。

 代表的なところを挙げるなら、新垣結衣さん主演で最終回視聴率20.8%を記録した『逃げるは恥だが役に立つ』(2016年/TBS系)、多部未華子さん主演で最終回視聴率19.6%を記録した『私の家政夫ナギサさん』(2020年/TBS系)でしょう。現在、上白石萌音さんが主演している『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』も同枠です。

 余談ですが近年の「月9」はほぼ恋愛ドラマから撤退して、医療もの、刑事もの、弁護士ものに舵を切っており、取って代わるように「火曜ドラマ」は恋愛ドラマで成功しています。まるで、“令和の月9”とも言えるような放送枠となっているのです。