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慰安婦訴訟で日本に賠償判決…韓国の歪んだ「反日裁判」の理解不能すぎる中身

慰安婦訴訟で日本に賠償判決…韓国の歪んだ「反日裁判」の理解不能すぎる中身

2021/01/18
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 判決は、慰安婦は「強行規範」違反に相当するから、日本は「国家免除を適用することはできない」との判断だ。つまり慰安婦は奴隷制と同じだったという意味だろう。

 慰安婦制度は「日本帝国により計画的、組織的に広範囲にわたり恣行された反人道的犯罪行為」と決めつけた。また日本統治を「当時、日本帝国により不法占拠中だった韓半島(朝鮮半島)」とし、韓国併合条約を否定した。慰安婦は「日本帝国の組織的で直・間接的統治下で強制され一日に数十回日本軍人たちの性的な行為の対象となった。原告たちは過酷な性行為による障害、性病、望まない妊娠、安定性が満足に保障されない最婦人科治療の危険を甘受しなければならなかったし、常時的に暴力にさらされ満足な衣食住を保障されなかった」などと書かれている。

 しかし、日本軍自体が慰安所を運営した例はない。

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ベルリンに設置された慰安婦像

原告はすでに1億ウォンを受け取っていた

 一方、判決は1965年の日韓請求権協定や2015年に日韓合意について「被害を受けた個人に対して賠償を包括することはできなかった」とした。だが、14年間続いた日韓交渉当時、韓国側から慰安婦問題についての請求権要求は出ていない。1950年代当時の韓国人は、軍慰安婦が公娼であったことは誰もが知っていたためだ。日韓合意についていえば、今回の判決の原告12人のなかには日韓合意で日本政府の1億ウォン「癒し金」を受け取った元慰安婦が含まれている。一体、これはどういう了見なのか、全く理解不能である。

 日韓の歴代政権が積み上げてきた歴史を否定し、史実を歪曲し、国際法を曲げて出した「日本国家賠償判決」には、日韓関係を破たんさせる破壊力がある。文在寅大統領が何度、「未来志向」に言及しようと、日韓関係が厳冬期に入ったのは間違いない。

 韓国の焚き付ける反日慰安婦運動はいま、欧州ベルリンにも飛び火し、昨年9月ベルリン市内に欧州では初めて公共の場に慰安婦像が立った。しかもこのベルリンでの場外戦で、日本外交は惨敗しているのだ――。

出典:「文藝春秋」2月号

 韓国が仕掛ける「慰安婦」を用いた外交戦の内幕の詳細については「文藝春秋」2月号および「文藝春秋 電子版」掲載の久保田るり子氏のレポート『「ベルリン慰安婦像」日本外交の敗北』をお読みください。

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「ベルリン慰安婦像」日本外交の敗北
慰安婦訴訟で日本に賠償判決…韓国の歪んだ「反日裁判」の理解不能すぎる中身

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