平成唯一の三冠王、松中信彦。
19年間ホークス一筋でプレーし、長らく主砲として常勝ホークスをけん引した。
しかしホークスでの引退を選ばず、現役続行にこだわってチームを飛び出した。
そして、ホークスでの最終戦では挑戦的な言葉を残し、物議をかもした。
それから2年、沈黙を守ってきた松中が当時の心境を明かした。

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 9月16日、西武に勝利した福岡ソフトバンクホークスが2年ぶり20度目の優勝を飾った(2005年1月にソフトバンクがオーナーに就いてからは、5度目の優勝)。交流戦では3年連続の最高勝率、そしてリーグ史上最速優勝と、圧倒的な強さを見せての戴冠となった。

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 2年前、同じように工藤公康監督率いるホークスが優勝したシーズンの最終戦(10/1)で起きた出来事を記憶しているファンも多いだろう。この日は、1996年の入団から19年間ホークス一筋でプレーし、主砲として常勝ホークスをけん引した「平成唯一の三冠王」、松中信彦にとってもホークスでの最後の試合となった。

 試合後、退団のスピーチを求められた松中は、ファンの「ありがとー!」という大歓声に声を詰まらせながら、ファンと球団に感謝の意を述べた。そして、「悔いのないように、最後まで精一杯野球をしたと思います!」と現役続行への決意を表明した後、物議をかもす発言をした。

「これからは若い選手たちが、必ず王会長が作り上げた強いチームを、『王野球』を継承して行ってくれると思います。必ず、5年、10年強いチームになると思います。僕もどうなるかわかりませんけども、もしも、違うチームで戦うのであれば、倒しにいきます!」

 倒しにいきます――。この刺激的な一言は当然のようにメディアに報じられ、批判的に取り上げられることもあった。しかし松中は否定も言い訳もしないまま、ホークスを去った。

 この言葉の真意はどこにあったのか。2年間の沈黙を経て、松中が真相を語った。