「1クールのレギュラーより1回の伝説」を信条に、江頭2:50は大小さまざまな不祥事を起こしてきた。しかし、東日本大震災直後には、孤立した福島県いわき市内の高齢者施設や避難所に自ら運転するトラックで乗り付け、救援物資を届けるなど「実はいい人」な一面もある。

 水道橋博士が著した書籍『藝人春秋2 ハカセより愛をこめて』には、今も語り継がれる数々の江頭伝説を間近で目撃した人にしか書けない江頭2:50の実像がありありと描かれている。素の彼の姿はいったいどんなものなのだろうか。ここでは同書を引用し、江頭2:50がプライベートで遭遇した事件を紹介する。(全2回の2回目/前編 を読む)

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江頭2:50、復帰!

 2013年9月21日放送のフジテレビ『めちゃ×2イケてるッ!』で、江頭が148日ぶりの地上波に登場した。

 江頭は去る5月25日、タワーレコード新宿店で行われたDVD発売記念イベントでの全裸騒ぎにより公然わいせつ罪に問われ、6月に書類送検された。

 お騒がせ芸人・江頭2:50の書類送検に、もはや世間は驚かない。まるで季節の風物詩のようになっている。

 一部ではお怒りの声もある。

「毎度、人騒がせな!」との世評は当然のことだが……。

 人こそ人の鏡、つい先日、大阪の生放送で“小銭稼ぎの”降板騒ぎを起こしたばかりのボクには何も言えない。

番組外の日常でも、やる時はやる!

 江頭とは古い付き合いだ。

 90年代のバラエティ番組『浅草橋ヤング洋品店』で繰り広げられた芸能人素潜り対決、通称「江頭グランブルー」を筆頭に、彼の芸歴がスタートした瞬間から今も語り継がれる数々の江頭伝説を共演者として間近で目撃した。

 プライベートでも、元々、たけし軍団志望だった彼は我々になついて、まるで弟分のようなものだった。酒席で語れる武勇伝には事欠かない。

 なにしろ、江頭という男、番組外の日常でも、やる時はやる!

©iStock.com

 例えば、東京・中野駅前のキャバクラ「未完成」にて通常1錠で足りるバイアグラを5錠、ヘネシーで一気飲みした挙句に卒倒し、救急搬送された1998年の「バイアグラ一気飲み事件」。

 本人はこの事件を振り返り「EDを治すつもりがER!」と即座にフレーズギャグにしたが、その未完成なオチは世間の顰蹙を買い、専門家からは自殺行為と糾弾された。

 さらには、この一件によって、当時の厚生省は安全確認が取れるまで日本国内におけるバイアグラの認可を遅らせたという都市伝説もまことしやかに囁かれるに至った。

 この事件の勃発後も江頭は萎えるどころか、日の丸の旗をおっ勃てて、騒動を海外にまで拡げている。

 2003年に北朝鮮を訪れた際、現地のニュース映像にチラッと映り込み、拉致問題でナーバスな感情渦巻く日本国内が大騒ぎとなったのを皮切りに、2008年の北京、2012年のロンドン、2016年のリオと毎度、五輪開催国に乗り込み、客席にさりげなく映り込む。

 この江頭の「見切れ芸」は、もはや国民的な恒例行事になっている。

 ちなみに、北京大会で吉田沙保里が2連覇を成し遂げた時、金色の全身タイツで声援を送る江頭の姿が国際映像を通じて全世界に放送されたが、この場面の瞬間視聴率32.8%(ビデオリサーチ調べ)は、女子レスリング中継の最高記録であった。