教養の欠片もない押し問答
「強要しただろ!」
「強要してましぇーん!」
「強要しただろ!!」
「強要してましぇん!!」
教養の欠片もない押し問答が続く。
「いや、彼も一応、芸能人として顔がありますし、本人も誤解を招くような行為をしたことは認めているわけですし……。ここはなんとか……」
防戦一方の相棒に、傍観者のボクも陳情。しかし相手は折れない。
「それに罰金100万円って、いくらなんでもあまりに高額じゃないですか? その額面に法的な根拠はありますか? なんなら出るところに出てもいいんですよ。そうなれば、お時間をとらせることにもなります。どうでしょうか、こちらの非は認めますので、5万円の罰金をお支払いするということで、今回だけは矛を収めてご満足いただけないでしょうか?」
ボクは多弁を弄して鎮火を試みる。
抜き差しならない状況が長く続いた。
どうあっても満場一致はあり得ないかに思えたが、店が最も客入りの良い時間帯だったことが幸いした。我々に長くかまっている時間もないのだ。
「……分かりましたよ。ウチも今、忙しいんでぇ……。しかし、もう二度と、こういうことはないようにして下さいよ!」
支配人が中折れし、今回だけは、おめこぼしということになった。
「でもカリにですよぉ。マンがイチ、次やったら今度こそ100万円ですよ!」
店を出ると、池袋の夜の闇に浮かぶ満月に向かって江頭が吠えた。
「なぁぁんで、トルコで75円なのにヘルスで100万円なんだよぉぉぉ!!!」
その後のはなし
江頭2:50は、昨日も今日も明日も何かをやらかしている。
そして「江頭グランブルー」以来、ボクにとって、エガちゃんは何をやっても別格。
どんな不祥事が起きたとしても感想は一言だ。
「そりゃあイイね!」