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2021/01/29

genre : エンタメ, 社会,

買物客が特別感を感じられる営業形態

 木内には定休日がある。シフト制にしないのは「いつ行っても同じ従業員がいる安心感」からという話だ。

 以前は毎週木曜日であり、それにあわせて周りの店も木曜日休みにしていたほどだとか。しかしいつしか水曜、木曜休みになり週休2日制に。さらに最近では水木に加え、日曜日までも定休日になってしまった。

特別感を演出する限られた営業時間 ©あさみん

 さらに営業時間は10時から17時までという限られた時間というのも、訪れるものに特別感と緊張感を与える。

美しい店内に思わず背筋が伸びる

 ワックスがかけられピカピカに磨かれた床、突き当りが見えないほど長い通路、天井にも壁にも多種多様の照明が光り、鏡の柱でさらに明るさが増幅。広い店内を歩くだけで背筋が伸び、優雅な気分に浸ることができる。

照明が反射するピカピカな床! ©あさみん

 かつては床がフカフカの絨毯敷きで、踏み面の広い階段が上階へと続いていたという。

都心の百貨店にも顔負けしない美しいパウダールーム ©あさみん

 化粧室にはパウダーコーナーも完備され、三面鏡の横には生花が添えられているなど、今でもところどころに気品を思わせる演出を感じることができる。

 従業員の方々は全員紺色ひざ下丈のジャンパースカートに身を包む。お客もミセスなら従業員もミセスと聞いていたが、実際はミスからミセスまで秋田美人は幅広くいらっしゃる。

店内で働くスタッフは全員が木内百貨店の従業員 ©あさみん

 さらに今では珍しく、百貨店内で働く全員が木内の従業員なのだ。

 というのも、現在の百貨店はほとんどテナント頼りで、家賃と一部売上をいただくことで百貨店が成り立っているのだが、本来百貨店とは、百貨店が仕入れ、百貨店の従業員が販売していた。

 木内では今でも、木内が仕入れ、木内の従業員が販売している。

センスあふれる意匠の照明 ©あさみん

 さて、今回最大の目的は「お釣りがピン札」を確かめることだ。そのためにはなんとしてもなにかを買わなければならない。