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リーチできる視聴者層が多い理由は?

 そして、素の綾瀬はるかさんはおっとりとした魅力がありながら、ドラマや映画では本人のパーソナリティとのギャップがある役どころを見事に演じます。

『義母と娘のブルース』では冷徹な印象もある仕事一筋のキャリアウーマン役。『天国と地獄~サイコな2人~』では男勝りで勝気な刑事役…からの殺人鬼のサイコパス男の魂が体に入った役。特に『天国と地獄~サイコな2人~』は、“女性に見えるように演じている男”を演じる、という難役ですからね。

 親しみやすい彼女が演じていることを忘れさせられるほど、役どころの振り幅が広いですし、その役の高い体現度はさすがの一言。

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綾瀬はるか ©文藝春秋

 また、深田恭子さんや石原さとみさんも男女ともに熱心なファンがいる女優ですが、綾瀬はるかさんは“男女”だけでなく“老若”までファンがいることが、高視聴率に結びついているのではないでしょうか。

 2009年と2011年に放送されたSF時代劇ドラマ『JIN-仁-』(TBS系)でヒロインを演じ、2013年の大河ドラマ『八重の桜』(NHK)で主演するなど、ご高齢の方も観ていた大ヒット時代劇ドラマに出演したことで、ファンの年齢層が圧倒的に広いように感じます。

 リーチできる視聴者層が多ければ多いほど視聴率が上がるのは自明の理ですし、昨今は若者のテレビ離れが進んでおり中高年がテレビの視聴率を支えている時代です。

 比較的若いファンが多い深田恭子さんや石原さとみさんに比べ、若いファンだけでなく高年層からもフォローされている綾瀬はるかさんが“視聴率女王”に最も近い位置にいるのは、必然なのかもしれません。