「昨年の夏に『持続化給付金を倍に増やせる』などとSNSに堂々と書き込んでいて、その頃からやたら金回りがよかった。コロナ禍なのに贅沢三昧で、周りの人も派手になって、交際相手もモデル。何か裏の仕事をしているとは思っていましたが……」
こう話すのは、新型コロナウイルス対策の「持続化給付金」制度を悪用し、現金100万円をだまし取った詐欺容疑で1月20日に逮捕された飲食店経営・結城世成容疑者(23)の友人だ。
「手下の実行犯は300人、被害総額は3億円以上」
コロナ禍で厳しい経営状態に追い込まれた個人事業主らを支援する経済対策として2020年5月から実施されている持続化給付金制度。新型コロナの影響で事業収入が50%以上減少した月があることなどを条件に、個人事業主なら最大100万円を給付する制度だ。
結城容疑者は、自身を頂点にした“ピラミッド型”の組織を作って、危機的な状況にある飲食業界を支えるこの制度を“食いもの”にしていた。
「結城容疑者は、虚偽の事業内容や収入の情報で持続化給付金が受け取れる申請方法の手口を、田村龍斗被告(21、詐欺罪で起訴)ら“指示役”にSNSなどを通じて指導。さらに、田村被告らが具体的な犯行の指示を末端の実行役に出していました。
驚くべきは、結城容疑者の先に実行犯が約300人もいたとみられること。被害総額は3億円以上。実行役には主に学生らを選んでいて、報酬は数万円渡すだけ。だまし取った金の8割は結城容疑者が受け取り、残りを田村被告ら指示役に分配していました」(社会部記者)
“シャンパン王子”と呼ばれた華やかな生活
持続化給付金制度が始まった当初から、犯行を繰り返していたと見られている結城容疑者。
前出の友人によると、給付金詐欺で金回りがよくなりはじめると、コロナ禍にもかかわらず、結城容疑者の生活は次第に派手になっていったという。