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ライバルとなるのは渡辺・豊島・永瀬か

 振り返ってみれば、2018年には、五段になった16日後には六段に昇段するなど、プロになってからも藤井二冠の勢いは止まらない。向かうところ敵なしに見える彼だが、その前に立ちはだかる壁はあるのだろうか。

「タイトルを持つ渡辺、豊島、永瀬は彼とともに引き続き今年の将棋界を担っていくでしょう。藤井二冠にとっては強力なライバルです。そのなかでも特に豊島さんは藤井二冠のことを強烈に意識しているでしょうね。藤井二冠が唯一勝てていない相手ですし、豊島さんがここ2年くらいでようやく自分が一番になろうかというときに彼がでてきたわけですから。負ければ自分の時代は終わってしまう。そんな意識があるのではないでしょうか」

谷川浩司九段

 毎年想像を超える強さを見せ、数々の記録を塗り替える藤井二冠。今年以降期待される活躍とは。

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「まずは挑戦者を迎え撃つ防衛戦が2つ続きます。『タイトルは防衛して一人前』という大山康晴十五世名人の言葉がありますが、彼にとってはここが正念場。それから挑戦者として戦うタイトル戦。今期、B級1組に上がる可能性はかなり高いでしょうが、A級1年目はなかなか厳しい。トップ中のトップ棋士のなかでどのような戦いを見せてくれるのか、楽しみですね」

 谷川九段の持つ記録を破り、最年少名人になれるかどうかにも注目が集まる藤井二冠。

出典:「文藝春秋」1月号

「文藝春秋」1月号および「文藝春秋 電子版」掲載の「2021年 日本を動かす21人――藤井聡太」では、藤井二冠が小学2年生だったときの初対局の様子や「羽生さんと重なる」という正統派の藤井将棋についてなど、彼を幼い頃から見守ってきた谷川九段ならではの藤井評が披露されている。

文藝春秋

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藤井聡太 すでに棋士として完璧に近い