新型コロナウイルスに振り回された2020年の日本。将棋界もまた例外ではなかったが、関係者の不断の努力によって対局は続けられた。暗いムードに沈みがちな世相だったからこそ、改めて将棋のドラマ性やエンタテインメント性が際立ったのかもしれない。

 そんな将棋界の1年間を写真とともに振りかえってみたい。

本田奎五段、棋戦初参加でのタイトル挑戦を果たす

棋王戦第2局で渡辺明棋王(左)に勝利し、対局を振り返る本田奎五段 ©共同通信社

 本田奎五段は、初参加だった第45期棋王戦で得意戦法「相掛かり」を武器に快進撃を続けた。予選1回戦から実に10連勝。変則二番勝負となった挑戦者決定戦では、第1局で佐々木大地五段に敗れたものの、続く第2局では勝利を収めてタイトル挑戦を決めた。初参加棋戦でのタイトル挑戦は、史上初の快挙だった。

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 2月1日から行われた五番勝負では、1勝3敗で渡辺明棋王からのタイトル奪取はならなかったが、新しいスターの誕生を予期させるシリーズとなった。