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藤井聡太「棋聖」から「二冠」へ
史上最年少でデビューして29連勝、その後も全棋士参加棋戦での優勝、年間勝率8割超えなど、数々の記録を更新してきた藤井聡太七段だったが、タイトル戦の舞台には惜しくも手が届かずにいた。ところが、「史上最年少タイトル挑戦」のラストチャンスとなった第91期ヒューリック杯棋聖戦では、決勝トーナメントを勝ち進むと挑戦者決定戦で永瀬拓矢二冠(当時)との公式戦初対局に勝利。
6月8日に開幕した棋聖戦五番勝負では、屋敷伸之九段が長らく保持していた記録を更新して、17歳10か月20日でのタイトル挑戦を果たした。その勢いのまま3勝1敗で棋聖を奪取して、やはり屋敷伸之九段の史上最年少タイトル獲得の記録も30年ぶりに塗り替えた。一般メディアも連日のように報道して、藤井七段の指し手を表現する「AI超え」は流行語大賞候補となった。
並行して7月1日から行われた王位戦七番勝負でも、前年に史上最年長初タイトルを獲得した木村一基王位からストレートでタイトルを奪取。一気に「二冠」となり、藤井時代の到来を予期させるには十分な結果となった。