宮殿の床面積は1万7691㎡、ロシアで最も大きな邸宅
映像や写真は動かぬ証拠であり、動画を見れば、その詳細がわかる。さらに特別サイトには宮殿の見取り図や登記簿、衛星写真、イタリア製の豪華インテリアの値段まで紹介されている。
港から断崖絶壁の先の地上部分に行くためにはトンネルが掘られており、その中には直通エレベーターが設置されている。宮殿の床面積は1万7691㎡にもなり、ロシアで最も大きな邸宅だという。内部にある385㎡の25m用プールにはマッサージ室、サウナ、医務室が併設されている。さらにプールの外には豪華な噴水が設置されている休息用のスペースもある。
そのほかにも、196㎡の屋内劇場、134㎡の読書室、134㎡の音楽視聴室、109㎡の映画館、106㎡のカジノホール、72㎡のビリヤード用ホールなどの娯楽用の施設が完備されている。
イタリア製の最も高価な机は419万3438ルーブル(570万円)。ソファーは208万421ルーブル(290万円)。宮殿内には多くの客間、従業員用の部屋があり、床は大理石で施され、調度品の数々はまさに贅沢の限りを尽くした王朝の貴族の暮らしぶりを彷彿させる。
宮殿で働く従業員の居住棟まで
ナワリヌイ氏のチームのドローンは宮殿以外の建物も映し出した。屋根が緑の丘のような施設の内部には、ホッケーのリンクがあるはずと指摘する。ナワリヌイ氏らが入手した宮殿を撮った衛星写真を見ると、ホッケーリンクとちょうど同じ大きさの枠組みがあるのがわかる。プーチン氏は柔道以外にも、ロシアの冬の国技であるアイスホッケーをプレーすることでも知られる。
緑の中にある円形劇場はまだ建築中で骨組みのままだ。敷地内には80mに及ぶ巨大な橋まである。2500㎡の面積を持つ温室棟には約40人の従業員が絶えず、植物を育てている。さらに、宮殿まで続く道路の途中には、この宮殿を管理するオフィス棟とここで働く従業員の居住棟まであった。
この複合体施設の総面積は68ヘクタールにもなる。しかし、その100倍の領土の7000ヘクタールの区域をFSBが管理していることも登記簿で判明した。この区域は2020年9月から2068年まで宮殿を所有する会社にリースされている。