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 伸晃がピリッとしない、それだけで政界再編の波が起きたのである。

 まだある。

 2012年の同選挙では俳優の山本太郎が「新党 今はひとり」を旗揚げして立候補。なんと石原伸晃の東京8区から出馬した。

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山本太郎氏からも「ピリッとしない」と思われた? ©️文藝春秋

「反核運動はじまりの地、杉並で闘う。石原伸晃さんの選挙区。政権交代時の逆境下でもダブルスコアで勝利した東京最強の人」(日刊スポーツ2012年12月3日)

 選挙は圧倒的に強いのにピリッとしない石原伸晃が相手に選ばれたのだ。この選挙で山本は敗れたが政界進出のきっかけとなった。父親も山本太郎も動かす、恐るべき石原伸晃の政界再編力である。

思い出される小池都知事の「先制パンチ」

 石原伸晃伝説の凄さはこれだけではない。

 2016年の東京都知事選を思い出してほしい。

 6月29日に自民党の小池百合子が立候補の意向を表明した。しかし自民党都連は別の候補を探していた。当時の自民党の東京都連会長は誰だったか?

 石原伸晃である。

都知事選では圧勝した小池都知事 ©️文藝春秋

 伸晃がオタオタして都知事選は混沌とした。小池に先制パンチを食らって最後までフラフラ。小池からすれば石原慎太郎との因縁を晴らす絶好の舞台でもあったはずだ(※このあたりは「女帝 小池百合子」などで確認してください)。

「都連会長・石原伸晃の指導力の欠如」

 そして都連会長は石原の息子である。日刊スポーツコラム「政界地獄耳」は「自民党都連会長・石原伸晃の指導力の欠如からなかなか決定には至らない」とみんなが薄々思っていることを書いた。

 ケンカ上手の小池からすればテンションが上がらないわけがない。小池は圧勝した。

 ああ、石原伸晃氏の政界に与える影響力を見よ!

 ここ10年近く石原伸晃が政界を動かしてきたと言ってもよい。

 本人の意図していないところで。