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自分が不登校だったから関わりたい仕事

――おふたりとも自分でこの学校を探して、道を切り開かれたわけですけど、将来はどんな方向に進もうと思っているんですか?

中島 私は大学で教育社会学を勉強したいです。それは自分が不登校だったことにも関係するんですけど、この学校で過ごしていると、世の中には飛び抜けているんだけど、環境のせいでうまくいかない子ってたくさんいるんだなって分かりました。それって、教育だけの問題じゃないと考えていたら、教育社会学にたどり着いたんです。大学を卒業したら、中高の教育現場に関わる仕事がしたいなって思っています。須田先生を見ていると大変そうだから、教師にはなりたくないけど(笑)。

 

木多 僕は車が好きなので、そっちのほうに進みたいです。メカニックなほうも好きなんですけど、むしろ僕的に今いちばん興味があるのが「次世代自動車社会」です。例えば燃料電池社会を実現するためには、どういうインフラが必要なのか、そういうことを制度設計したり、社会デザインする仕事に就きたいです。なので、大学では政策学を学びたいと思っています。

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中島 大学に進んだら、私はバイトでお金貯めたりするつもりだけど、木多くんは……。

木多 しょっちゅう友だちと遊んでると思います(笑)。

中島 だから、生活リズムとかは一切合わなくなると思います。まあ、成り行きに任せるしかないですよね。私たちどうなるんだろうなあ、みたいな(笑)。

 

最後に、問題です

――最後にクイズいきます。

木多・中島 いきなり!

――1923年に出版社「文藝春秋」を設立した「真珠夫人」などの作品で知られる作家といえば誰?

木多 文学系は苦手だからダメだ。中島さんがんばって。

中島 あーっ、ええと……誰だっけ、思い出せない……。

 

――菊池寛でした。問題がマニアックすぎましたかね……。

中島 いえ、そんなことないんですけど、悔しいですね、これは。菊池寛を聞かれる問題だと「文学賞で知られる芥川賞・直木賞を創設し……」っていうのが問題の定型なので。

木多 中島さんは文学好きだし古典も得意なんですけど、現代文の試験は僕のほうができるんですよ(笑)。

中島 これ、ほんと癪なんですよねー(笑)。現代文の問題は、自分を殺して問題文として読まなきゃならないから、かえって難しいんです。選択肢の中に、私が思っている答えがないことって結構あるんですよ。

――特に小説問題はそうですよね。ちなみに中島さんはどんな作家が好きなんですか?

中島 そうですね、ええと……。

木多 (小声で)菊池寛、菊池寛。

中島 菊池寛です(笑)。

「本当に好きな作家は?」「森博嗣さんです!」

写真=佐藤亘/文藝春秋