東大合格者数36年連続1位を誇る東京・開成高校。なかでも「知」を競うクイズ研究部の活躍は他の追随を許さないレベルだ。いったいどうやって知識に磨きをかけているのか? 今年の「高校生クイズ」決勝にも進出した植田遥大くん(高2)と後藤弘くん(高1)にお話を聞いてみました。
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自分の力だけじゃどうしようもないものがあるんだなって
――今年の「高校生クイズ」は惜しかったですね。決勝では10ポイント先取の9ポイントまで行ったのに、最後は三重県桜丘高校のカップルに押し切られました。
植田 そうですね。悔しさはもちろんあったんですけど、それよりも後藤が珍しく落ち込んでたのが見ていてこたえました(笑)。
後藤 自分の力だけじゃどうしようもないものがあるんだなって、思い知らされたのがショックでした。
――それって、負けた後に後藤くんが残した名言「男子校の友情ではカップルの愛は突破できない」ということですか?
後藤 アハハ、あれは優勝校がインタビュー受けているのを横目に、何か爪痕を残すようなことを言っておかなきゃと思って必死に考えたコメントなんですよ。どうもお見苦しいところをお見せしてしまってすみません(笑)。桜丘高校のお二人には3年間ずっと努力し続けてきた力や、何より男女カップルというコンビネーションの強さがあったことは間違いありません。
「まあ、組むかー」みたいになってペアになった
――開成の底力を見たのは、例えば決勝でお手つきしたあと、「理研の三太郎」を答えさせる問題で挽回したところです。やっぱり知識量が半端ないなと。
植田 クイズではおなじみの「ベタ問」というやつなんですが、とりあえずボタンを押した時には長岡半太郎だけ思い出せなかったんですよ。で、本多光太郎と鈴木梅太郎を答えながら、ギリギリで思い出したって感じです。
後藤 あの緊張する場面でスラスラ思い出せたのはすごいなって思いました。
――今、クイズ研究部にはどれくらいの部員がいるんですか?
植田 全部で50人くらいです。中1から高2までいますから、各学年10人弱ですね。
後藤 植田くんが部長で、僕が副部長をやっています。
――あ、それで「高校生クイズ」もペアになったんですか?
植田 いや、そこはなんとなくの成り行きで……(笑)。高校生クイズに参加することは別に強制ではないんですけど、部員はみんな目標の一つにしているので、大体は予選から参加します。
後藤 で、「まあ、組むかー」みたいになってペアになったというわけです。
――お互いに組めてよかったなあと思う点はありますか?
植田 僕はカメラの前だとめっちゃ緊張するんで、後藤みたいな物怖じしないキャラがいると安心でした(笑)。
後藤 これで負けても仕方がないなって思える、信頼できる方と組めたのはよかったです。
植田 ハハハ。僕は後藤を中1の頃から見てますけど、ほんと、順調に成長していて……、頼もしい後輩です(笑)。ただ、長いこと一緒にいるとどうしても見えてくるのは弱点なんですよね。後藤も僕もスポーツと芸能が全く苦手。