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《ボクシング井岡タトゥー論争》「隠すべき・消すべき」55%がタトゥー否定の厳しい声【アンケート結果発表】

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「曖昧なルールを設定したJBCに問題あり」という意見も

 問題は井岡選手がタトゥーをしていることではなく、曖昧なルールを設定したJBCにあるという意見もあった。

「JBCは過去の自分たち幹部の暴力団との関係というトラウマを、全く関係がない現在の選手に無理やり被せており、選手の表現の自由を奪っている」(男性・61)

「大事なのは試合内容や、立ち居振る舞い。井岡選手にとって、いずれも完璧な内容でした。また、JBCスタッフ立会の元、ファンデーションで隠す措置を取っているにもかかわらず試合中に汗で落ちて丸見えになったから、何らかの処分を下すというのもおかしな話」(男性・50)

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「試合で汗を書くのは当然分かっていた話で、汗で見えるような隠し方をしてリングに上がることを認めたJBCにも責任はあると思う」(男性・64)

D「わからない」8.5%「タトゥーの内容にもよる」

 最後にDの「わからない」と答えた人は全体の8.5%。タトゥーの「内容」にもよるという意見が多かった。

「メディカルタトゥーなどもあるので個人的にはどちらとも言わないが、いろいろな国の人の意見を取り入れて規約を作るべきだと思う」(女性・56)

「タトゥー自体は個人的にはあまりよくないものと思いますが、タトゥーで人間を非難するのはいかがなものかと思います」(男性・42)

「タトゥーの絵柄にもよると思いました。反社会的勢力をイメージさせるような絵や攻撃的な文言なら絶対に隠した方がいいと思いますが、家族の名前など明るいイメージのものなら特に問題ないのではと思います」(女性・36)

「井岡選手のタトゥーを見たが、これぐらいの暗い黒一色の見た目のタトゥーなら威圧感はなく、威嚇にもならないのではないか」(男性・29)

下された結果はルール改正のないまま厳重注意処分

 1月21日付で、JBCは井岡選手の処分を発表した。

《同選手は、令和2年12月31日、世界タイトルマッチ出場の際、入れ墨を隠す塗布物が剥がれ落ち、左腕の入れ墨が露出したまま試合を続行した。このことはJBCルール第95条2号に抵触するものであり、当財団は井岡一翔選手を厳重注意処分とする》

 井岡選手が所属するAmbitionジムの責任者で木谷卓也会長に対しても「クラブオーナーとしての監督責任を負わなければならない」として、厳重注意処分とした。

写真はイメージ ©️iStock.com

 一発KOの如く時代に沿ったJBCのルール改正が期待されたが、下された結果はルール改正のないまま厳重注意処分という最も軽いものだった。王者となった井岡が再びリングに立つのはタトゥーを隠さなければならない日本なのか、それとも認められている海外なのか。日本を二分したタトゥー論争は判定にも持ち越されない後味の悪い裁定となった。


 本アンケートについて2人の識者に賛否それぞれの立場からインタビューを行いました。あわせてご覧ください。

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