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日本を「リセット」するのに「保守」? “改革保守”小池百合子の言語矛盾

「信用できない人」たちだらけの今週の珍言・暴言総ざらい

2017/09/30

麻生太郎 副総理・財務相
「武装難民かもしれない。警察で対応するのか。自衛隊、防衛出動か。射殺ですか」

朝日新聞デジタル 9月24日

 もはや何を言っても平気な麻生副総理。「何百万人殺したヒトラーは、やっぱりいくら動機が正しくても駄目だ」と言ったり(時事ドットコムニュース 8月29日)、「気違いみたいな人ばっかり」(愛媛新聞ONLINE 9月3日)と言ったりしても、どこ吹く風だ。

失言と言えばこの人、麻生氏。安倍首相は何を思う

 今回もまた物議を醸す発言をぶっ放した。23日、宇都宮市で行われた講演で、朝鮮半島から大量の難民が日本に押し寄せる可能性について語った。「向こうから日本に難民が押し寄せてくる。動力のないボートだって潮流に乗って間違いなく漂着する。10万人単位をどこに収容するのか」と指摘した麻生氏は、「向こうは武装しているかもしれない」とした上で、「防衛出動」に言及した。

 ロンドン大学高等研究院難民法イニシアチブの橋本直子氏は、ブログにて「武器を保持していようがいまいが難民は難民です。一旦日本の領域や領海内に入ったら、彼らを人道的に保護する法的義務が日本政府に発生します」と指摘。「漂着民が武器を持って入域・入国したからといって、本当に難民なのかどうかの審査もせず『射殺する』などといった極端な措置をとる必要は一切ありません」と述べている。一言で言えば「難民を射殺することは殺人で犯罪」なのだ(9月26日)。

 朝鮮半島地域研究を専門とする木村幹・神戸大教授は、「北朝鮮から日本に大量の難民が押し寄せる、というのはちょっと考え難い。中国か韓国に向かうに決まっている」と、難民の数を「10万人単位」とした麻生氏の発言を根本から否定した(ツイッター 9月24日)。武装難民が日本に押し寄せる可能性を想定したほうがいいという声に対しては、「巨大UFOに乗った火星人の武装難民が来る時の対策もしておいたほうがいいですよ」と述べている。

 木村氏は「大前提として、なんで麻生さんは自らの職責でもない北朝鮮問題について話したんだろう」と疑問を呈している。菅義偉官房長官は記者会見でよく「仮定の問題なので控えます」と言っているのに、麻生氏は専門外の仮定の話で「防衛出動」だの「射殺」だのと言ってしまったようだ。要するに勇ましいことが言いたいだけなんだろうか?

松浦正人 山口県防府市市長
「抗議文ではなく『お願い』として送った。(教科書の内容が)『反日極左』と感じた」

毎日新聞 9月26日

 山口県防府市の松浦正人市長は、25日の定例記者会見で、慰安婦問題に言及する特定の歴史教科書を採択した複数の中学校に対し、採択中止を求めるはがきを送っていたことを認めた。

ソフト極右? 郵送したはがきの内容は「お願い」だと主張する松浦正人防府市市長

 会見によると、自らの事務所に「採用を即刻中止することを望む」などの文面と宛名が既に書かれたはがきが送られてきて、内容に賛同した上で「防府市長 松浦正人」と記入して複数の学校に郵送したという。松浦氏が採択中止を求めたのは「学び舎」が発行した歴史教科書。

 同社の教科書を採択した神戸市の私立灘中学には、組織的とみられる同じ文面の抗議はがきが200通以上届き、自民党の県議や衆院議員からも問い合わせの電話があったことが明らかになっている。灘中学の和田孫博校長は「政治的圧力だと感じざるを得ない」と述べている。また、「学び舎」の教科書を採択した全国の国立、私立中11校にも抗議のはがきが大量に送られていた。

 福岡市教育委員長時代に採択を経験した八尾坂修・開智国際大教授は「社会科では脅しのような行為がしばしばあるが、採択は風評に流されず厳正、中立に行われるべきだ」とコメントしている(産経ニュース 8月10日)。「反日極左」の反対語は「愛国極右」だろうか。ジャーナリストの津田大介氏はツイッターで「中道右派ではない『ソフト極右』が、世界中の政治のトレンドになりつつあるのだなぁ……」と語っていたが(9月25日)、「ソフト極右」時代の表れのような松浦氏の発言と行動だ。

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