日本レスリング協会は“馴れ合い”が横行する“お友達協会”
それでも今回、高田氏が辞任を免れたのはなぜなのか。冒頭の日本レスリング協会関係者Aさんは「日本レスリング協会は“お友達協会”ですから」と肩を落とす。
「日本レスリング協会の上層部は2003年から変わっていません。福田富昭会長をはじめ、同じ面子がずっと幹部として居座り続けているんです。そのせいで“馴れ合い”が横行しているんですよ。
JOCから命じられた高田氏への調査でも、当初、協会は高田氏と関係の深い元コーチら一部にだけ聞き取り調査を行い、協会側に都合の良いような話を報告書にまとめたのです。もちろん、そんなものが通用するわけがなく、JOC側から突き返されたそうですが……」
協会上層部が優先するのは、アスリートではなく自分たち
レスリングの名門・至学館大学の谷岡郁子学長から、高田氏を擁護する発言が飛び出したこともあったという。
「高田氏の処遇が話し合われた1月18日の臨時理事会で、多くの参加者が『辞任はやむなし』と見解を示すなか、『高田さんはレスリング協会の功労者だ』と谷岡氏が高田氏を援護したんです。というのも、高田氏と谷岡氏は子ども同士が結婚している親戚関係。身内擁護の発言に多くの参加者が驚きました。しかし結局、高田氏が辞任することはなかった。
谷岡学長は、2018年にもパワハラを告発したレスリングの伊調馨選手に対し『そもそも伊調馨さんは選手なんですか?』と発言し、加害者側である栄和人監督を擁護して炎上した過去があります。レスリング協会上層部が優先するのは、アスリートではなく自分たちなんですよ」(同前)
6月にはレスリング協会の理事改選が予定されている。高田氏や日本レスリング協会が、改選を待たずに自ら進退を決められるか。“五輪のドン”であった森喜朗氏が辞任を決めたいま、レスリング協会の“マットの外”での勝負に注目が集まっている。