昨今、お笑い界でその姿を見ない日はない「第7世代」と呼ばれるニュージェネレーションの芸人たち。これまでのお笑いの「常識」とは一線を画す新たな波は、もはや留まるところを知らない勢いだ。そんな中、世代で最も若手にも関わらず、ネタ、ロケ、トークとあらゆるバラエティ番組で存在感を見せているのが四千頭身の3人だ。
結成からわずか5年目、3人ともが20代前半という超若手トリオは、なぜこれほどの活躍を続けることができているのか。そのブレイクの秘密を探ってみるべく話を聞いてみると、当人たちの捉え方は意外と違っているようで――。(全2回の1回目/後編を読む)
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大活躍の2020年だが、本人たちは意外にも…?
――2020年は大活躍の年でした。3人としても手ごたえの大きかった年だったのでは?
都築 確かに仕事は増えていろんなことをさせてもらえたんですけど、実は言うほど手応えはなくて。結構ヌルっと終わった感じだったんです。2020年が終わって考えた時に、なんか消化不良というか…言われた通り動いているだけで終わっちゃいましたね。1年間うっすらスベり続けたというか(笑)。
後藤 確かに一気に仕事が増えた感じではなくて、じわじわという感じだったので、そんなに大きく変わった印象はないんですよね。逆に「一気に売れた!」みたいな感覚って、もう味わえないんだろうな…。
石橋 僕も気づいたらこんなに仕事が増えていたんだという感じで。それこそコロナの影響もあって、自粛期間中は全く仕事がないこともあったので。賞レースを獲ったとかもあるわけじゃないので、「急に忙しくなった!」という感覚は全くないです。
――意外にネガティブな感想が…(笑)。そういえば先日放送の『アメトーーク』でも今後への不安を語っていましたね。
後藤 あれはだいぶ間違えました。もっと笑ってもらえるかなと思ったんですけど。打ち合わせでは「めっちゃおもろいですね!」って感じだったはずが…意外と素で受け入れられてしまって。
都築 悩みがリアルすぎたんでしょうね(笑)。冗談に聞こえなかった。
後藤 そっちの方が面白いと思ったんですよね…。完全に間違えたなぁ。
漫才と普段のキャラクターの“差”
都築 まあでも、話している方はああいう素の自分を出せた方が楽だったかもしれないです。無理して「芸人らしく」明るく振る舞うとかやっても、それが笑いに繋がるかどうかわからない。そういう風に考えだすと難しくなっちゃうので。
後藤 なに達観してるの…。都築くんはオンラインサロンでも始めるの?
石橋 後藤くんはラップ好きとか、明るい一面はけっこうあるなと思いますね。アクティブだし、結構よく外出もしているし。確かに都築くんのほうがインドアなイメージありますね。そう考えるとあの『アメトーーク』は結構、素のキャラに近かったのかも。
後藤 たしかにトークもどんどん割って入ってきていたもんね。都築くん、だいぶキャラ作ってたんだな…。
都築 いやいや、基本は陽気なんだよ(笑)。ただ、ずっとそれを求められるのはしんどくなっちゃうのかも。嘘っていうわけじゃないんですけど、無理せずにやる方が、なんかやりやすいですね。僕らはやっぱり漫才から知名度が広まったので、漫才でのキャラクターの見え方がどうしても普段の見られ方になるじゃないですか。僕は漫才だと明るいキャラなので、それに合わせなきゃいけないのは結構、キツイところです。