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IOCの興行主としての本性が世界に暴露された

 そもそもオリンピック夏季大会が真夏の7~8月に開かれるのは、米NBCのスポーツ中継のオフシーズンにあたるからだ。また、巨額の放映権料がIOCに振り込まれるのは、大会終了後だ。

 つまり、先の森氏同様、IOCのコーツ副会長・東京大会調整委員長が昨年9月、「新型コロナウイルスの有無に関係なく」大会開催を主張したのは、放映権料のためなのだ。 “ラスボス”の米NBCが公然と森氏辞任を主張したことで、IOCの興行主としての本性が世界に暴露された。彼らの態度からは、コロナ禍で生活を律し、感染抑制に努める日本人への気遣いも、コロナ感染抑制への強い意思も、どちらも感じられない。

菅首相

 東京都の小池百合子知事は、IOCと組織委がまとめた選手などの感染対策の冊子「プレイブック」が森氏辞任騒動の陰に隠れていると不満を漏らした。だが、その中身たるやお粗末で、選手間の感染拡大リスクが大きい選手村の同部屋宿泊の抜本的対策は記されていない代物だ。それを知ってか知らずか、米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は12日、東京大会開催には「ガイドラインが必要」と指摘した。

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出典:「文藝春秋」3月号

 3月の聖火リレーの具体的な感染防止策も未だ示さない政府、組織委のコロナ対策の不備、コロナ変異型のリスク、「令和の大政翼賛会」としてオリンピックを資金支援する日本の報道機関などの諸課題は、『文藝春秋』3月号掲載の「東京五輪を中止すべき『7つの理由』」で詳述している。

文藝春秋

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東京五輪を中止すべき「7つの理由」