2月23日、天皇陛下は61歳の誕生日を迎えられました。昭和の時代から35年にわたって「女性自身」の皇室カメラマンをつとめた河崎文雄さんがファインダー越しに見た、両陛下の「素顔」を特別に紹介します。(出典:「文藝春秋」2019年11月号)

愛子さまご誕生後の一枚。じゃんけんピーヒャラという子どものおもちゃを持たれ、笑顔の天皇皇后両陛下 ©河崎文雄

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山頂に着くと「いい景色ですね」とお声をかけていただいた

 天皇陛下の山登りを初めて取材したのは、週刊誌「女性自身」の皇室担当になってすぐのことでした。私は山登りが得意なので、陛下の健脚にもついていけるだろうと皇室担当を任されたのです。

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1994年8月31日、ご結婚後に栃木県の茶臼岳を登られたときの一枚。雅子さまは、山頂へむかう途中でその景色の美しさに思わず手を合わせたご様子だったという ©河崎文雄

 約35年前、昭和の時代はまだ取材陣との距離感が近かったと思います。山頂に着くと「いい景色ですね」とお声をかけていただいたり、私も「そんなに撮影したらフィルムが足りなくなりますよ」と話しかけました。山頂で陛下を囲んで記念撮影するのも恒例でした。