文春オンライン

「シャンシャンのフンが1日20キロ以上に」休園中の上野動物園、担当者が語る“やりがいと苦労”

2021/03/06
note

気になるシャンシャンの様子は

 一方シャンシャンは、よく食べ、木登りをするなど、活発に過ごしている様子。休園前と比べて、何か変化はあったのだろうか。

「休園中だからという変化ではありませんが、寒さを好むジャイアントパンダにとって、冬は過ごしやすい時期。シャンシャンも食欲が上がって、体重が増えてきました。よく食べて、フンの量も1日20キログラム以上になりました。これは大人のパンダと同じくらい。順調に成長していますよ」と杉野課長。

 タケノコが大好きだというシャンシャン。まだ幼かった去年は、むいた皮の部分までかじったりして、食べ方に戸惑っていたようだが、今年は上手にタケノコを食べる様子が見られそうだ。

ADVERTISEMENT

 現在のシャンシャンの1日は、どのようなものなのだろうか。

「朝は屋外放飼場でひととおりエサを食べて、その後しばらく昼寝。目が覚めたらまた食べて、寝るの繰り返し。朝一番と夕方が活発に動いている時間です。その間は寝ている事が多いですね。ジャイアントパンダはおとなになればなるほど、遊びの時間が減って、そういう過ごし方になってきます。

 シャンシャンは、まだ子どもっぽいところも残っているので、木に登って遊ぶこともありますね。やぐらの上も好きで、よくそこで寝ていますよ」

 木登りの様子は、日曜に更新されるツイッターの『#シャンデーウォッチング』でも伝えられている。四肢の筋肉を使って、勢いよく登り、木の上でも上手にバランスを取って過ごしているようだ。

 2019年から始めた、健康管理のためのハズバンダリートレーニングも順調だという。

「ハズバンダリートレーニングは、基本毎日行っています。注射のためにオリから前足を出す訓練や、ひっくり返って陰部を見せる訓練など、日中、えさを与えるときなどに、状況を見ながら、少しずつ内容を変えていっています」

 東園でのんびり過ごしているというシャンシャン。返還に向けて特別な訓練などはしていないが、オリに入って出る訓練は、かなり早い段階からしているのだそう。

 一生懸命にトレーニングに励むシャンシャンの様子を思い、頬が緩む人も多いのではないだろうか。

再開園の予定は

 来園者がいない今も、動物たちはいつもと変わらずに過ごしているようだ。話を聞いて安心する一方、再開園の日が待ち遠しい。杉野課長から、再開園を楽しみにする人々にメッセージをいただいた。

「前回に続き2回目の臨時休園となってしまって、来園を楽しみにされている方には、非常に申し訳なく思っています。

 休園中も動物たちは変わらず元気に過ごしています。これからもツイッターで、いろいろな動物の様子を発信していきますので、休園中はそちらを楽しんでいただければ。再開したらぜひ、動物たちに会いに来ていただきたいですね」

 いまは静かな上野動物園。人々の笑顔があふれる日が待ち遠しい。

「シャンシャンのフンが1日20キロ以上に」休園中の上野動物園、担当者が語る“やりがいと苦労”

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー