繁殖期に入った、リーリーとシンシンの様子は
とはいえ、気になるのは現在のパンダたちの様子だ。
西園の「パンダのもり」に移動して半年ほどたつ、シャンシャンの親、リーリー(オス)とシンシン(メス)。2 月から5 月は、パンダの繁殖期といわれており、シャンシャンのきょうだい誕生への期待も高まる。2頭は現在、どう過ごしているのだろうか。
「リーリー、シンシンともに、特に問題なく元気に過ごしています。繁殖期が近いこともあり、例年通りに繁殖の準備を進めています。
2020年12月からは、シンシンを施設に慣れさせるため、2つの屋外放飼場と非公開エリアの3ヵ所を、出入り自由にしました」
パンダの発情には、匂いも重要になってくる。そのため、普段メスを展示している屋外放飼場に、交代でオスを入れたりして、お互いの匂いを嗅がせ、発情を促しているのだ。
メスの発情は長くても2日くらい。行動、鳴き声、陰部の様子などを見て、総合的に同居のタイミングを判断するのだという。
「さらに週に1回、尿からホルモン検査も行っています。行動が変わってきたなど変化があれば、もっと検査の頻度を短くしますが、今のところ兆候はありません」と杉野課長。
両親がシャンシャンから離れて、パンダのもりに移ったこと、さらに臨時休園で環境が変わったことによる変化はあったのだろうか。
「すでにシャンシャンはひとり立ちしていますので、親子で飼育施設がわかれたことは、少なくとも繁殖にマイナスにはならないと思います。パンダのもりへ引っ越したことがどう影響するかは、まだ何とも言えませんが、今のところ問題はありません。
休園下での環境の変化は、特にプラスに働くこともないので、今のところは、全体的にあまり変化はないと考えています」と話してくれた。
公式サイトによると、2017年のシャンシャン出産の際は、2月15日頃にメスのシンシンに発情の兆候が現れ始め、22日に展示を中止。27日に、2頭を同居させて交尾を確認している。
以前より設備の整った新施設で初めて迎える繁殖期。発情がおこりやすい時期は5月頃まで続くので、めでたい話を期待したい(取材時の情報です。現在はシンシンに発情の兆候が認められたため、リーリーとの同居準備を進めています)。