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「シャンシャンのフンが1日20キロ以上に」休園中の上野動物園、担当者が語る“やりがいと苦労”

2021/03/06
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 撮影に不慣れなため、撮ったつもりが撮れていない……ということも、あったのだという。

「そんな時は、動物解説員から写真をもらったりして、より良いものを伝えられるように努力してきました」

 投稿と通常業務を両立させるには、それなりに苦労もあったようだ。

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「パンダを毎日出して欲しい」の声も

 さらにお客様からは「パンダを毎日出して欲しい」という要望も、多く寄せられているのだという。

「前回の休園時には『#デイパン』というタグで、毎日パンダの様子を発信していました。あのときは、シャンシャンの返還予定が目前でしたので、少しでも多くパンダの様子を、みなさんにお届けしたいと思っていました。

 しかし今回は、シャンシャンの返還が延期になったため、少しでも多くの生き物を紹介できればと思って投稿しています」

 上野動物園には、350種近い生き物がいる。今回はパンダはもちろん、動物園らしく、さまざまな生き物の特徴を伝えたいと考えているのだ。

「その代わりと言っては何ですが、週に1回、日曜日に『#シャンデーウォッチング』というタグで、しっかりとパンダの様子を発信するようにしました。これは1週間分、いろいろな所で撮りためた中から、厳選したものを選んでお送りしています」

 ツイッターの発信は、前回の休園時と同様に動物解説員3名を中心とした教育普及係の職員、さらに園長、副園長、教育普及課長、販売系の職員で回しているのだという。

「ここ数日は、飼育の方にもお願いして、積極的に写真などを提供してもらっています。そのため、今までとは違う視点の写真や動画を、出せているのではないかと思います。

 飼育係の方も2回目の休園ということで、少ない人数ながら、うまく時間を作って対応してくれていますね」と語る杉野課長。

 作業する人間の出勤も減らしている状況下で、すべてに対応するのはむずかしい。パンダを見たいという声に配慮しつつ、できるだけ、伝える内容が偏らないように工夫しているのだという。