初恋の記憶の甘酸っぱさは世界共通
――この作品は日韓同時連載中ですが、韓国でスーパーボールのとらえ方に違いがあったりしないのでしょうか。
東村 日本と同じように昔流行っていたし、なんなら今もリバイバルブームで流行っているみたいです。
初恋の概念も、お国柄みたいなのがあるのかなと最初思っていたのですが、連載が始まってみたら、初恋の記憶の甘酸っぱさって世界共通なんですよね。しかも男性からも女性からも多くの反響をいただいているので、「初恋には男女も国境も関係ない」とあらためて感じています。
縦スクロール漫画は2分で慣れます
――漫画の形式はどうですか。紙の漫画と、スマホの縦スクロールだと作り手も読み手も慣れない気がしますが。
東村 まず縦スクロールは読む時の目の動きが紙と違うので、最初は戸惑いました。紙の漫画だと、見開きの最初のコマを読んでいる時に最後のコマが目に入ったり、最後まで読んだあとまた前のページに視線が戻ったりしますが、縦スクロールはそれがありません。情報の入れ方も流れの概念も紙とは全然違う。でも慣れてしまえば、作業自体は縦スクロールの方がラクなんです。フルカラーの色付けも、塗り絵のようにすごく楽しんでやっています。思い描いた色をつけるだけなので、なんならモノクロで表現するより楽です。
私たちもすぐ慣れましたから、読者の方もいざ読んでみたら2分で慣れるはず。はい、もう、絶対に2分で慣れますよ。今まで縦スクロール漫画は読んだことないという方にも、ぜひ読んでいただきたいですね。
特に、昔の恋愛全盛の少女漫画を読んで育ったお姉様たちには、縦スクロールデビューしていただきたいです! 移動中も読めますし、ジップロックに入れればお風呂でも読めます。それに、老眼気味でも、縦スクロール漫画ならスワイプで拡大できますから最強です(笑)!
取材、構成=相澤洋美
写真=松本輝一/文藝春秋
ヘアメイク=後藤るみ
スタイリスト=藤原わこ