2015年、政府は「2020年度までに男性の育休取得率を13%に引き上げる」という目標を掲げたものの、2019年度で7.48%とその目標にはおよびそうにない。
一方で、男性の家事・育児参加を求める考え方が広がっているのも事実。今回は元サラリーマンで主夫に転じた著者が、転身して分かった家事・育児の大変さを綴った『主婦をサラリーマンにたとえたら想像以上にヤバくなった件』(主婦の友社)から、抜粋して引用する。
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仕事から帰ったら、部屋が散らかっていた……なんて経験、誰にでもありますよね。
子どもはグズることなく遊んでいる。そのわりに家はおもちゃやその他のもので散らかっている。家事も終わっていないみたいだし、皿も洗っていなければ風呂も掃除していない、夕食が作る途中または作っていないなんてこともあるかもしれない。
こんなとき、あなたはこう思うだろう。
「昼間に一体何をやっていたの?」
自分だったらもっと要領よくできそう?
働く側の感覚としては、7時や8時に出社して10時間、12時間後に帰宅して家の現状が変わっていなければ「一体何やってたの?」と確かに思うかもしれない。満員電車に揺られて出社し、意味もなく長い朝礼が終わると取引先にメールを十数件返信し、昨日の退社後に数社からかかってきていた電話を済ませ、外出し、打ち合わせを経て昼食をとり、会議に出席した後は商談用の資料を作成し、上司から頼まれた雑務もこなし、満員電車に揺られて帰る……。
自分がこれだけのことをやっている間に一体何をやっていたのだと。なぜ家の中は朝出る前よりもひどくなっているんだと、そう思ったことがある人は少なくないのではないだろうか。
俺もサラリーマンのころ、同じように感じたことは確かにある。何でやってないんだ? なんて高圧的に思うことはなかったけれど。子どもの相手が大変なことは小さいころから甥っ子を見てきた中でわかっていたつもりだったから。それでも何となく、自分だったらもっと要領よくできそう……なんて考えを抱いたことがなかったといえばうそになる。
しかしこの考えは主夫になって見事に打ち砕かれた。