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スターダムに上がる者にのみ与えられる“通過儀礼”

 そして、投手ではやはり19歳の奥川恭伸。

 昨年11月10日のシーズン最終戦でのプロデビュー戦は3回途中9安打5失点で57球での降板となりました。しかし、今年楽天に復帰した田中将大投手でさえデビュー戦は2回途中6失点だったし、もっというと、あのスーパースター長嶋茂雄さんもデビュー戦は4打席4三振でした。

 これはいわば、スターダムに上がる者にのみ与えられる“通過儀礼”なのです。最終戦後のセレモニーの挨拶で、高津監督が奥川を指名して一言言わせたのも、そのスターへの階段を登らせる一つの儀礼だったのでしょう。

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「今日の試合の反省をしっかりと活かして、来年以降はしっかり活躍できるように頑張りたいと思います。応援よろしくお願いします」

 選手の列に戻っていく奥川投手に笑いながら一声かけた村上選手とのやりとりも印象的でした。奥川恭伸には普通の人には纏う事のできないスター性が確かにあります。

 彼が村上選手のように1年間休まない強い身体を作りシーズンでエースとしてフル回転する日が待ち遠しくてなりません。

 とにかく、休まないこと。

 投の奥川、打の村上。この2人がシーズン通して休まずにエースと4番でフル回転できたとき、我々ファンは今まで味わったことのない感動を体験することになるでしょう。

 それまで皆さん、もう少し我慢しましょうね(笑)。

室内練習場で練習に臨む村上宗隆(左手前)と奥川恭伸(右手前)

 僕個人では、いつも高座数年間500席を目標にしているのですが、コロナ直前の年間483席が最高でした。打率でいうと.298といったところでしょうか(泣)。

 われわれ落語の世界には戦力外通告がないので、舞台袖から座布団まで歩ける体力と口さえ動けばいつまでも現役を続けることができるだけに、その環境に甘えすぎず、でも少し甘えさせてもらいながら、とにかく休まず1席でも多く高座ができるように、少しでも上方落語界を引っ張っていけるような力になれるように頑張ってみようと思います。

 その為にも、未来のエースにあやかってこれからは高座が終わったあと、「今日の高座の反省をしっかりと活かして、次はしっかり満足していただけるように頑張りたいと思います。応援よろしくお願いします」と一言を添える事にします。(って、いっつもスベってんのかーい!!)

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