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賞レースは「お笑い+α」が求められている

大津 あとは僕ら、真っ向勝負ができないタイプなんですよ。正統派の漫才を作ろうとしても、作れない。最初はやっぱり「『M-1』で優勝したい」とか思っていましたけど、気が付くんですよ。「あれ、これは俺たちには向いてないぞ」って(笑)。

淡路 最初は普通の漫才をやっていて、ライブでは芸人仲間やお客さんにも結構、ウケてたんですけどね。賞レースになると、急に審査員から突き放されるっていう。そんな感じのが何年も続いたんで。完全に賞レースコンプレックスですよ。

大津 やっぱり、賞レースはお笑い+αが求められている気がしますね。「命懸けてる感」というか。「こいつらはこのネタをやるために何年もやってきたんや」っていう振りがあると、ネタの説得力が増すと思うんですけど。「ぺこぱが着物とローラースケート脱いだぞ!」みたいな。

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淡路 僕らは命懸けてる感がでないんですよね(笑)。同じネタを練習すればするほど、おもしろくなくなっちゃう。結果的に「最初の方がよかったなぁ」っていうことが多い。

――そう考えると、きつねがサンプラーを捨てたとなったら、ぺこぱさんのように付加価値がのってきそうな気もします。

大津 確かに、ワンチャンあるかもしれないですね。ただ、僕らが今まで変なことばっかやってきたんでね…。築き上げてきたものが違うと言うか。正統派で戦っていくことは「まぁいいか…」という気持ちになっていますね、今は。

「2人ともネタを作れる」ことがきつねの強み

――『有吉の壁』内の大喜利コーナーでは、有吉さんから「第7世代はきつねだけだな!」と地の力が評価されていましたよね。

大津 あれは、僕らちゃんと大喜利してないんで。ズルしていますから(笑)。音楽なければ戦えてないですよ。

淡路 短いネタのパッケージをいくつか用意して、そのための音楽をMacに入れているんで、それをお題に合わせてなんとか出しているという感じですね。

 

――いわゆるイロモノ的なネタでも、サンプラーを効果的に使った歌謡漫才やKOUGU維新のキャラクターを次々にヒットさせているのは地力の高さゆえかと思います。お2人の考えるきつねというコンビの強みはどこにあるのでしょう?

大津 僕らは2人ともネタを作れるので、そこは他の芸人さんに比べて強いところかなって思いますね。どんどんネタをアップデートしていくってなったら、1人で考えるとどうしても煮詰まってきちゃうじゃないですか。でも、2人だと脳みそが2つあるんで、自分にはない発想がでてきますし。いろんなアイディアを出しあえる環境があるっていうのがいいのかなと思います。