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“KOUGU維新”はなぜ生まれたのか? 第7世代「陰の実力派」きつねが語るこれまで

きつねインタビュー#1

2021/03/17
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大津 そもそもの話として、僕らは結構サブカル的なものが好きなんですよね。僕は学生時代、あんまり人が勉強しないようなカルト宗教とかめちゃくちゃ詳しく調べたりしましたし、あとキャンブル中毒の人が身を滅ぼしていくまでをつづっているブログとか見たりしていましたね(笑)。

淡路 僕もお笑いっていうよりかは、ラーメンズさんの舞台とかお芝居をよく見に行っていました。あと『BAZOOKA!!!』ってわかります? スカパーでやっていたアングラカルチャーを紹介する番組とかよく見ていましたね。

 

YouTuberは「憧れの対象」

大津 YouTubeは今でこそもうメインカルチャーですが、今みたいに大流行する前からめちゃくちゃ見ていましたし。

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淡路 大津は、学生のときからサシマン見ていましたからね。

大津 そうそう。最近引退されたYouTuberのワタナベマホトさんが、有名になる前にサシマンっていう名前で動画を上げていたんですが、それをめっちゃ見ていましたね。

淡路 僕はレトロゲームの攻略動画とか、1日9時間くらい見る日もある。ドラクエの堀井雄二さんが初期の頃に作った『ポートピア連続殺人事件』の動画とか。あとは普通に東海オンエアさんの動画もめっちゃ好きでよく見ます。もはや東海オンエアさんは憧れの対象ですよ。

――芸人さんがYouTuberに憧れているって、新しい時代を感じますね。

淡路 世代的なこともあるんでしょうけど、東海オンエアさんは芸人より芸人やっているなぁって思うんですよね。自分のやりたい企画を通して、それでお金を稼ぐ――単純に、それが羨ましいなと思います。

趣味でやっていたDJとヒップホップダンス

――お2人ほどお笑いの才能があればYouTuberとしても十分成功できたのでは?

淡路 何回かやろうっていう話にはなったんですけど、頓挫しましたね。企画、構成、編集と全部、自分たちでやらなくちゃいけないわけじゃないですか。もう作業量が多すぎて。ネタどころじゃなくなっちゃいましたね。そんな経緯もあるので、YouTuberの皆さんのことは本当に尊敬していますね。

大津 YouTuberでネタ作ったりもしたもんな。「絶壁ハウス」って登録者130人くらいのYouTuberがオフ会をやる、みたいなコント(笑)。KOUGU維新もその系譜で出てきたものかもしれないです。

 

――サブカル的な下地があったからこそ、2.5次元をお笑いに取り入れる発想も出てきたわけですね。漫才にサンプラー(※EDMを流す機械)を使おうと思ったのも、そういったところから?

大津 相方が趣味でDJとヒップホップダンスをやっていて。そこからでしたね。

淡路 本当に最初は、大学で英語の授業を受けた時に先生が「俺はこれしか使わん」って言うてMacを出してきたんですよ。そこで音声サンプリングを知って、衝撃を受けて。それまでバンド以外で音楽を作るっていうのを想像もしていなかった。それを知っていたので、これは漫才にも活かせるのかなと。