コロナ禍の中で「ネタの打ち合わせは圧倒的に増えた」
――ネタはお2人で作られているんですね。
大津 そうですね。喫茶店に集まったりとかして。長いときは丸一日やっています。
淡路 ただ、最近はリモートで出来るようになったのがでかいですね。今までは雨が降っていたら、めんどくさくなっちゃったりしていたんですが、zoomを使えば家でできますからね。
大津 zoomのおかげでネタの打ち合わせ回数、圧倒的に増えたよな。
淡路 増えたなぁ。
――幼馴染で結成されているコンビですし、ネタ作りの意思疎通もスムーズなのでは?
大津 割とスムーズですね。ただ、ネタに対して意見が割れることもあります。そこが芸人さんのコンビ仲が悪くなる一番の理由だとも思うんですが、ただ、やっぱり脳みそが2つあった方が絶対にいいネタができると思うんですよね。自分にはない発想が出てくるわけですから。
淡路 相方の意見に従ってスベっても、もう別に何も思わないですしね。「まぁ仕方ない」というくらいで。ただ、滅多に喧嘩することはないんですけど、去年の12月に初めて大きな喧嘩をしたんです。KOUGU維新のミュージカルがあったりで、全然寝られていなくて、だいぶピリピリしていて。本当に些細なことから喧嘩になったんですよね。
大津 めっちゃ喧嘩しましたねぇ。
淡路 そもそもの話をすると、大津のキャラがめちゃくちゃ変わっているんですよ。何回かマネージャーさんに胸ぐら掴まれて怒られたこともあるよな。
大津 基本的に素行不良なんです(笑)。
淡路 だから僕としてはずっと「こっちが合わせて我慢しているんやぞ」っていうスタンスで、それが一気に爆発してしまった。ただ、1回喧嘩してコンビとしてしっかり話し合ったら、「俺にも全然非があるし、どっちもどっちやな」と思えた。だから結果的にはいい喧嘩だったのかなとは思います。
大津 テレビの収録の日程がもうすぐやったんで「ネタ作らな、もう話にならへん!」というとこで「喧嘩している場合じゃないぞ」と。まぁもっと言うと、こいつがハゲてもないのにハゲの治療薬飲んでいたのが原因なんですよ(笑)。
淡路 ハゲの治療薬ってホルモンバランスに影響があるみたいで、それで情緒が不安定になっていたっていう。「ハゲの薬の影響で胸ぐら掴んでいる自分もしょうもないな」っていう気持ちになりましたね…。
大津 危うくハゲの薬が原因でコンビ解散することころでした(笑)。(#2に続く)
写真撮影=文藝春秋/深野未季
きつね/大津広次(ツッコミ担当)と淡路幸誠(ボケ担当)のコンビ。大津は1989年7月24日大阪府出身。淡路は1990年2月14日大阪府出身。小学1年生からの幼馴染で、お笑いを始めた当初は5人組のユニットだったが、紆余曲折を経て2014年にきつねを結成。
2017年頃から大津がウクレレを持ち、淡路がMacBookに接続したサンプラーで効果音を出すなどするネタを演じ「パリピ漫才」の呼称でブレイク。最近は日テレ系『有吉の壁』でも活躍し、番組内ユニット「KOUGU維新」は昨年末にミュージカル化されるほどの人気を誇る。
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