酷いクレーマーへの対処法は?
――旅館にはクレーマーがいるとよく聞きますが、実際はどうですか?
A:男性客の車を移動させたら、激怒されたことはありますね。確かに高級車だったけどさぁ……。その後も、何をしてもクレームつけてくるんです。そういうお客様はただで泊まろうとしているのが見え見え。こちらが「では、お代はいただきません」と言うのを待ち構えているんです。もちろん正規料金を払っていただきました。
B:どう見ても言いがかりの、酷いクレームに対して、僕は110番します。まだ旅館に入りたてだった10年以上前のことですが、まだそうしたクレーマーに慣れていなかったせいもあって、あまりに頭にきて110番したんです。それで一通り話し終えたら、「それは私の管轄じゃないなぁ」と言われて。「えっ?」って思ったら、110号の客室に電話していた! お客さんも酔っぱらってたから、良かったんだけど。
A:それはおまえがボケてるだけじゃん!(笑)
D:聞いてくれたお客さんもいい人だなぁ。
B:うちの固定電話は0発信をしないと、外線にならないんです。他にも仲居が「ご飯の時間です」と118号室に連絡したら、海上保安庁にかかってしまって。うち、何度かやってる。
C:それ、ネタでしょ(笑)。
A:でもかけ間違いはあるよね。うちの電話番号は「0571(仮)」で始まるんだけど、頭を「0517」にして、あとはそのままの番号にかけると、他県の旅館に繋がるんです。だから、予約が入ってないのに、到着したお客様が「予約は入っているはずだ」と言い張る時は要注意。「0517」の旅館にかけると、たいがいそっちを予約している。
他の旅館とのグループLINE
――お客さんの宿間違いで、宿側が困るのは、特に夕食だと伺います。用意しているのに、来ない。または用意してないのに、突然来る……。
A:前に、予約が入ってないのに団体客が来た時は、もうマジ死ぬ気でやったなぁ。チェックインに、料理に、チェックアウトに……。あの時は、幹事が予約日を勘違いしていたんだけど(笑)。
D:旅館の名前の勘違いもあるよね。
E:あと、同じ温泉地でも、外観が似ている旅館は間違えてチェックインするお客がいる。
A:だから、うちの温泉地はグループLINEを作ってあります。旅館オーナーだけじゃなく、女将やスタッフにも入ってもらっていて、トータルで30人ほどのグループです。そのLINEに「予約入ってないけど、こんなお客様が到着」と投げると、「それ、うちのお客」という反応があるから、一発で解決する。
一同:それはいいね!