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『セカンドチャンス!』のメンバーは、自分と同じような経験をしてる人たちがいっぱいいて、自分は一人じゃないんだって思えてすごく気持ちが楽でした。そうして、これからは過去も生かせるような生き方をしていきたいと思うようになったんです。

 2008年には1冊目の著書『紫の青春~恋と喧嘩と特攻服~』を書く機会をいただいて、自分のなかに封印してた過去を振り返りながら、私はあのときこういう気持ちだったんだっていうのを、自分の頭のなかで整理をつけることができました。

 

「私でも立ち直れたから絶対大丈夫」と少女たちに伝えたかった

――そのなかで、自分のやりたいことが明確に見えてきたんですね。

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中村 はい。まず、北海道から沖縄まで全国に9ヶ所ある女子少年院へ講話をしに全て回ろうと思って。暴走族で全国制覇できなかったから、今度は女子少年院を全国制覇しようと(笑)。「私でも立ち直れたから絶対大丈夫だよ」っていうことを少女たちに伝えたかったんです。

 2015年には女子少年院を全て回りました。いろいろな子がいて、いろいろな話を聞いて気づいたのが、私のときみたいに自己表現として暴走族や非行に手を染めているような子はいないということ。この子たちは罪を犯したから加害者だけど、むしろ、それ以前に被害者だったんじゃないのかなと。

 彼女たちは少年院を出たら社会に戻るけど、その間にどれぐらい変われるんだろうか。また、新しい人生をもう一回歩みたいと望んでいても、彼女たちが戻った社会が変わらないなら、また同じことを繰り返すだけなんじゃないかとも思いました。

 あるとき、一人の女の子が「私、幸せになってもいいんですか?」って聞いてきたことがありました。私も2度目の逮捕のときに同じことを思ったことがあって、この子たちは20年前の私なんだ、って。この子たちに差し延べる手も必要だけど、この子たちを理解する社会も必要だと痛感したんです。

 もちろん、大前提として彼女たち自身が変わることは必要だし、それを棚に上げるつもりはありません。ただ、同じくらい社会も変わる必要があるんじゃないかと思うようになったんです。