次のテーマは“少年が犯罪を繰り返す理由”
――現在は映画の続編制作に向けて準備中のようですね。
中村 そのための資金集めと、4月以降始まる撮影の準備を進めていて、今のところ公開は2022年の7月を予定してます。今回は、男子少年院の少年たち3、4人を退院後も含めて追っていく予定です。
男子は3人に1人が再犯するというデータが出ていて、“少年はなぜ犯罪を繰り返すのか”という面に焦点を当てようとしています。少年らの根底にある、もう自分なんてどうなってもいいんだという思いから、再犯に手を染めそうになったとき、何が彼らを止められるのかと思って。
そしてその答えは、すでに私のなかにあるものを言い切ってしまうんじゃなくて、観た人が“こういうことをすれば再犯を防げるんじゃないのか”とそれぞれの答えを出せるように、そのきっかけになるような内容にしたいなと考えています。
――どういった少年院を撮影していく予定なんでしょうか。
中村 取材予定の男子少年院は2つあり、少年院側も今はこういう教育にすごい力を入れているんだっていうのを見せていきたいです。
――1作目で出た彼女たちのその後は?
中村 佳奈(仮名)は2作目にも登場してもらう予定で、今も追っている途中。映画として、やっと“少女たちにはこういうことが必要なんだ”ということを伝えられるものが撮れたんじゃないかなと思っています。映画では顔にボカシを入れているので表情まではわからないんですが、彼女たちの表情もだんだん大人びていって、顔つきも本当によくなっているんですよ。
“人は変われる”、“社会は変えられる”。そのために多くの人々の意識をほんのちょっとだけでも変えていって、それを証明していけたらと思います。
(文=二階堂銀河/A4studio)